人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩

どうにもならない「自分の中の闇」との、上手な付き合い方

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つい考えてしまうマイナスな思考

どうにもならないことだと分かっていながらも、つい考えてしまい、自ら嫌な気持ちに埋没してしまうことはないでしょうか。

例えば、過去の嫌なことを思い出したり、人を妬(ねた)んだり恨(うら)んだり、自分の理想とする生活を妄想したり、人生をやり直したいと思ったり……。つい考えてしまうことは十人十色だと思います。

このようなことを考えるのは、特に何もすることがなく一人で時間を持て余しているときが多いのではないでしょうか。望んでもいないのに、ふと頭に浮かんできてしまう状態の時が多いと思います。
そして、込み上げてくる悲しみや怒りなど暗くて複雑な感情に引っ張られてしまい、せっかくの時間を不快な気持ちで過ごしてしまうということに心当たりのある方も多いと思います。

このどうにもできない考え癖をどうにか直したいという方は多いでしょう。しかし、実際にどうすればよいのか分からないという方に、そんな気持ちを楽にして頂くためにご紹介したい考え方があります。

~プラスに転換する考え方~
信号として受け止める

どうにもならないことを、あれこれ考えてしまうことを止めるのはそう簡単なことではないと思います。なぜなら、それは自然にはたらく思考回路であり、自分で自由に制御することができないからです。

自然の流れに逆らって無理に考えることをやめようとするより、その考え癖の受け止め方を少し工夫するようにしてみてはいかがでしょうか。
そうすることで、否定的に思っていた癖が、自分にとって意味のある習慣へと変えることもできると思うのです。

実際にあれこれ考えていると、さまざまな感情が沸いてくると思います。大切なのは、この時間です。この時間をただ単に感情に身を委ねて終わらせるのではなく、少し立ち止まって「自分を改める時間」にするように心掛けてみるのです。

では、具体的にどのようにするのかというと、まず次のように考えてみて下さい。
どうにもならないとわかっていてもなお、そのことを考えてしまうということは、それだけ思い入れがあるということだと言えます。無意識にも、その「何か」が気になるからこそ考えてしまうのではないでしょうか。
できれば、この「何か」を明確にするようにしてみて下さい。それがわかれば、今後の生活の教訓や戒めとして活用することができるはずです。

おそらく、気になっている「何か」というのは、大抵の場合が「現状に満足できない」ということだと思います。つまり、「不満足の心」です。
どれだけ歳を重ねても自分を中心に考え、物事に対する「不満足の心」に流されてしまっている自分の姿に気がつくことができるはずです。

どうにもならないことをつい考えてしまうということは、同時に「不満足の心」に流されてしまっている証拠なのです。これは人が何かと苦しいと思ってしまう気持ちを増長させてしまう原因です。
また、これは誰もが納得できることだと思いますが、日常生活の中ではつい忘れてしまうことでもあると思います。

どうにもならないことを考えてしまう時間、このことを「自分への戒めのサイン」として受け止めれば、考える時間の意味も変わってくるのではないでしょうか。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺 住職
著述家/翻訳家

1982年、山口市(徳地)生まれ。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。僧侶として以外にも通訳や仏教関係の書物の翻訳なども手掛け、執筆・講演・メディアなどの活動の場を幅広く持つ。2019年、龍谷大学 龍谷奨励賞を受賞。著書に『あなたは、あなた。』(アルファポリス)『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社) 『小さな幸せの見つけ方』(アルファポリス)など多数。

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