人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩

「物の整理」と「心の整理」を繋ぐ大切な共通点

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物が捨てられない

どうにかしたいけれども、どうにもできないことの一つに、なかなか物が捨てられないということはないでしょうか。このお悩みに関しては、二つの立場があると思います。一つは、自分自身で物が捨てられないという自覚を持ち、悩んでいる立場。もう一つは、自分自身としては何も問題意識を感じてはいないけれど、家族や周囲から指摘され、悩んでいる立場です。

いずれの立場にしても、「いつか使える」「まだ使える」「もったいない」「思い出がある」「なくなると不安」など、何かと理由をつけて物が捨てられず、気が付けば家が物であふれているというのが共通して言えることでしょう。

よく耳にするのが、物があまりなかった時代に生まれ育った世代の方はどうも物を捨てることに抵抗があるということです。

身近なところでは、私の父が当てはまります。終前に生まれた父は、貧しい時代を生きてきたこともあってか、物を捨てることをいつも躊躇(ちゅうちょ)します。なんでもすぐに捨てては後悔することの多い私としては、その姿には見習うべきことが多いのですが、時に行きすぎることもあり、壊れてしまった物やもう明らかに使えない物までずっと保管することもあります。
理由を尋ねると、「いつか使える」の一点張りです。私も家族もお手上げです。

しかし、表情を見ると本人も物が捨てられないことはわかっており、人知れず悩んでいる気もします。きっと長年の習慣により、何が必要か不必要かの境がわからなくなり混乱しているのだと思うのです。

このような状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。そのような方に気持ちを楽にして過ごしていただく考え方を紹介します。

~プラスに転換する考え方~
整理整頓できていればよい

長年続けてきた「物を捨てる」ことなく保管するという習慣は、そう簡単には変えたり手放したりすることはできないものでしょう。ある意味、身体全体に染みついているものでしょうから、自分から取り除くことができない一部と考え、逆にむしろ大切にしたほうがよいと思います。

では物が捨てられないことに対して、単純に開き直ればよいのかというと、そういうわけではありません。開き直ったうえで「あること」を心掛けてみることが大切です。
それは「整理整頓」です。

物を捨てることのできない人に多いのは、物は捨てないけれど、部屋・家・敷地内のどこかに放置しているということです。これでは物を捨てることができないということが、ただの悪習慣にしか理解されません。

しかし、「整理整頓」をすることで、「物が捨てられない」から「物を大事にする」という習慣に理解されるようになります。また、整頓できない物は不必要な物として手放すという断捨離にもつながります。

これはいたって単純なことなのですが、できていない人が多いのではないでしょうか。「整理整頓」が重要であるということを、私の父から学びました。

ネジ、ボトル、釘など、それぞれ箱にきちんと分けて保管したり、必要なときにすぐに取り出せるよう、倉庫にきれいに保管していたり、その光景には本当に脱帽です。このような姿を見ると、父は物が捨てられないのではなく、「物を大事にする」人なのだと理解せざるを得ません。こうして周囲に受け止めてもらうことは重要なことだと思います。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺 住職
著述家/翻訳家

1982年、山口市(徳地)生まれ。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。僧侶として以外にも通訳や仏教関係の書物の翻訳なども手掛け、執筆・講演・メディアなどの活動の場を幅広く持つ。2019年、龍谷大学 龍谷奨励賞を受賞。著書に『あなたは、あなた。』(アルファポリス)『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社) 『小さな幸せの見つけ方』(アルファポリス)など多数。

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