すぐに使える営業の心理学

あえて自社製品の「悪い面」を伝えて信頼に結びつけるテクニック――「両面提示の法則」

2018.05.03 公式 すぐに使える営業の心理学 第3回
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「よい面」しか話さない営業マンは怪しまれる

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンは、日々、お客さまのところに通い、商品について「いかに自社商品がいいものであるか」、会社に関しては「いかに信用できるか会社か」など、一生懸命アピールしていることでしょう。

営業マンですから、お客さまに商品や会社のよい面を知ってもらうのは当然なのですが、実はそれがすべてではありません。今回のテーマは、あらゆる部分で「よい面」だけをお客さまにアピールするのではなく、あえて「悪い面」も明かした方が、営業マンとしてより信頼が得られる効果を発揮する「両面提示の法則」について紹介します。

では、この法則が営業活動にどのような影響を与えるのか解説していきます。

私が初めて営業の仕事をしたときの話です。営業のいろはも知らない私は、とにかく売上を上げるために、自分が売りたいものが「いかによい商品であるか」「いかにこの商品を買うと得をするか」を一生懸命お客さまにアピールしていました。

説明する内容としては、新製品であれば、新製品のよさをしきりに強調したり、他社での採用実績があれば、その採用実績、購入数量によっては大幅な値引きを検討するなど、とにかくがむしゃらに「よい面」だけを話して営業をしていました。

確かにこれは、営業マンがお客さまへアピールする方法としては間違っていません。ですが、お客さまは、いろいろな営業マンから、商品や会社の「よいところ」ばかりをアピールされているためか、「またアピールか……」という感じで、徐々に聞き流されて終わることが多くなります。そんな営業スタイルだった当時の私は、まったくと言っていいほど商品を売ることができませんでした。

私は、ごまかすのが嫌いで、すべてを正直に話したい性格です。そこでどうすればいいか、いろいろな本を読んだりして考えました。そして、自分の性格に合う営業スタイルを見つけたのです。それが、この「両面提示の法則」でした。「どうせ売れないのなら、よい面だけアピールするのをやめて、悪い面も包み隠さず正直に話した方がいいのではないか」と開き直ったのです。

当然ですが、最初はお客さまに「悪い面」を伝えると、さらに買ってもらえなくなると思っていました。しかし、実際にやってみると、その逆だったのです。なぜかお客さまが急に商品に興味を持ってくれるようになり、営業成績が上がるようになったのです。

あとからお客さまに、なぜ商品を買ってくれたのかをヒアリングしてみると、「悪い面を正直に話してもらえたので、何かあったときに対処がしやすいし、大岩さんを信用できたから」とのことでした。このように、「よい面」だけではなく「悪い面」も見せた方が、まず人としての信頼を得ることができ、結果的に営業マンとして、商品が売れるようになるのです。

「悪い面」は、いまやお客さまがネットで検索すればすぐにわかってしまいます。であれば、最初から「よい面」と「悪い面」をきちんと説明して、そのお客さまにマッチした商品を提案する形の商談をしなければ、営業マンとしてはスキル不足と言わざるを得ません。

では、実際にどのようにして営業活動に取り入れていけばよいのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

口下手でもトップになれる営業術

アルファポリスビジネスの人気Web連載「入社1年目の営業スキル」を書籍化。「上手く話せない」「説得できない」「物が売れない」など、自身の営業スキ...

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