すぐに使える営業の心理学

できる営業マンは「恩」と「人脈」を上手に武器として使う――「返報性の法則」

2018.05.17 公式 すぐに使える営業の心理学 第4回
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「何かお返しをしないと……」と思わせたら勝ち

こんにちは。ロールジョブの大岩俊之です。営業マンは、売り上げを確保しようと、自社の商品を一生懸命にアピールします。ですが、このご時世、商品をアピールしたところで、簡単に物は売れません。

だからこそ、できる営業マンはただ「商品」を売り込むだけの営業はしません。「恩」と「人脈」を最大の武器として、営業活動を行なっているのです。今回のテーマは、相手に対して何か役に立つ、もしくは貢献できることができれば、お客さまから何らかの「お返し」をいただけるという「返報性の法則」についてです。

私が家電量販店に対して、パソコンの営業をしていたときの話です。私の扱っていたパソコンは有名メーカーではなく、かなりマイナーなメーカーでした。そのため、お客さまのところを頻繁に訪問しても、なかなか積極的に店舗での販売をしてもらうことができせんでした。それ以前に、お店に商品を展示してもらえないケースも多々ありました。当然、お店に商品を展示しなければ、お客さまが購入することはありませんし、過去何世代か前のパソコンが倉庫に置かれたままということもありました。

有名メーカーのパソコンは販売重点商品に指定されているため、家電量販店側は積極的に販売します。ですが、私が扱っていたメーカーのパソコンは重点商品ではないため、販売員の方も積極的にお客さまにはすすめてはくれません。この状況に困ってしまった私は、何か打開策をと考えました。そこで実践したのが「返報性の法則」です。つまり、私のお客さまとなる家電量販店に「恩」を売り、「人脈」を紹介することでした。

特に、お店の規模が小さい、立地が悪い、などのマイナスな条件の店舗では、私の扱うパソコンが全く売れないことがありました。在庫を何とかしたいという相談を販売担当者から受け、そこで私は、よく売れる店舗に移動して在庫をさばくお手伝いをしたことがありました。こうした小回りのきく対応で担当者に「恩」を売っておいたのが功を奏して、その担当者が別の店舗に移動したときに、たくさん販売していただくことができたのです。

今までお世話になった担当者が別店舗に転勤したり、パソコンではなく別の商品の担当になったときなど、私の人脈の中から、対応のいい営業マンを繋ぐなどもしてきました。こうしたことを続けていると、お客さまから「本部のキーマン」「他店舗のキーマン」などを紹介していただけるようになり、さらに売上を上げることができたのです。

このように、お客さまに「恩」や「人脈」」を提供することができれば、そのお客さまから「お返し」をしてもらえる効果のことを、心理学用語で「返報性の法則」といいます。では実際に、どのようにして営業活動に取り入れていけばよいのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

口下手でもトップになれる営業術

アルファポリスビジネスの人気Web連載「入社1年目の営業スキル」を書籍化。「上手く話せない」「説得できない」「物が売れない」など、自身の営業スキ...

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