すぐに使える営業の心理学

売り込めば売り込むほど、物が売れないジレンマ――「ブーメラン現象」

2018.07.05 公式 すぐに使える営業の心理学 第7回
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世の中、物を売りたい人ばかり

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンのみなさんは、お客さまに商品を一生懸命売り込む、もしくは、一生懸命商品の説明をするのが仕事だと思っていませんか?

今回のテーマは、「熱心に売り込めば売り込むほど、実は物は売れなくなる」という「ブーメラン現象」についてです(これは「ブーメラン効果」とも呼ばれますが、効果といっても「負の効果」を意味しています)。心理学用語で「ブーメラン現象」と言われているのは、ビジネスでいえば「強く売り込まれれば売り込まれるほど、人は反発する」というものです。押しが強ければ強いほど、反発される度合いもブーメランのように強くなるという意味で使われています。

「一生懸命」なのはよいことなのですが、「一生懸命」すぎると、この「ブーメラン現象」に陥ってしまいます。しかも、営業成績は悪いのに、本人は「一生懸命頑張っているから間違っていない!」と思っている営業マンは実に多く、これがなかなかやっかいなのです。

では、この「ブーメラン現象」が日頃の営業活動にどのような影響を与えるのかを2つの例で見ていきましょう。

1つ目の例は、お客さまが商品説明を望んでいないのに、一方的に一生懸命商品の説明をして、相手が引いてしまうパターンです。普段から面識のあるお客さまの場合であれば多少は大目に見てもらえますが、新規開拓などで初対面のお客さまの場合には、この一生懸命という名の「一方的な営業」では、二度と会ってくれることはありません。おそらく、一回の商談で自社の商品を知ってもらおうとするあまり、つい一生懸命の度が過ぎてしまうのでしょう。

2つ目の例は、お客さまが「今すぐ買いたい」「今すぐ商品が欲しい」わけでもないのに、一生懸命に「どうですか?」「なかなかよい商品じゃないですか?」「今なら、安くできますよ」「役に立つと思います」「御社には必要な商品だと思います」などと、たたみかけるように売り込んでしまう状況です。買う気もないのに、営業マンから買うように一方的に仕向けられると、お客さまは次回からは会いたくなくなります。いちいち断るのが面倒だからです。

望んでいない商品を売られれば売られるほど、反発したくなるのが人間の心理です。「勉強しなさい!」と言われた子どもが勉強しないように、大人でも、言われたことと逆のことをしたくなるのが人間の心理なのです。

では、このブーメラン現象、営業活動ではどのように注意すればよいのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

口下手でもトップになれる営業術

アルファポリスビジネスの人気Web連載「入社1年目の営業スキル」を書籍化。「上手く話せない」「説得できない」「物が売れない」など、自身の営業スキ...

格差社会を生き延びる〝読書〟という最強の武器

現代社会で本当に必要とされる人間になるためには、実は「読書」が不可欠。というのも、読書をすることで「知識」と「教養」を得ることができ、これが昨今...
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