すぐに使える営業の心理学

ダメな営業マンは「見せる」「手に取らせる」を怠る――「保有効果」

2018.08.02 公式 すぐに使える営業の心理学 第9回
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「保有効果」を営業に取り入れよう

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンのみなさんの中には、トーク力を磨けば業績が伸びると思われている方も多いようです。しかし営業という仕事は、トーク力だけではレベルアップしないのが実情です。

今回のテーマは、「保有効果」です。人はたった数分でも物を所有すると、愛着を感じ、手放す痛みが生じるようになるという効果です。ここでは、その「保有効果」を活用すると、日頃の営業活動にどのような影響を与えるのかを紹介していきます。

通信販売などでよく見かける「返金保証」というものがあります。「満足いただけなかったら全額返金します」というフレーズがよく使われていますが、お客さまに一度保有してもらうことによって「手放したくない」という気持ちが生まれるため、返金するケースはかなり少ないそうです。

ビジネスセミナーやエステ広告などでも、「返金保証」というフレーズが使われていたりします。新聞の電子版、テレビの有料チャンネルや学習教材などでは、1ヶ月無料などのお試し期間が設けられているケースもあります。

ビジネスのチャンスは、この期間に保有(体験)してもらうことにあります。1ヶ月試した後に、解約するのは逆に手間もかかります。そして「保有効果」がそこで相乗効果を発揮し、結果的にそのまま成約につながるのです。

ゴルフクラブやテニスラケットなどのスポーツ用品では、無料でクラブやラケットを貸し出してくれるお店もあります。自動車の購入を検討するときは、カーディーラーで試乗をさせてもらえます。服を買うときは、お店に現物が置いてあり、試着させてもらえます。電子書籍の購入を検討している場合には、無料サンプルがダウンロードできるものもありますし、Amazonでは、本の中身が、一部分だけ閲覧することができるものもあります。

家電なども安さを求めてネットで購入する時代になりましたが、まだまだ家電量販店で、実際に現物を確認してから購入したいという人も多いのが実情です。

このように、日常のいろいろな場面において、心理学用語でいう「保有効果」を狙った取り組みがされているのです。「保有効果」とは、自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理現象のことですが、手に取ってしまった後には断りにくくなったり、一度手に取ったり、試してみたりして、現物を確認してから購入したいという人間の心理も含まれています。

では、この効果をどのようにして営業活動に取り入れればよいのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

口下手でもトップになれる営業術

アルファポリスビジネスの人気Web連載「入社1年目の営業スキル」を書籍化。「上手く話せない」「説得できない」「物が売れない」など、自身の営業スキ...

格差社会を生き延びる〝読書〟という最強の武器

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