すぐに使える営業の心理学

優れた営業マンが持つ本当の「お客さま目線」――「心理的な視点取得」

2018.09.20 公式 すぐに使える営業の心理学 第12回
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「自分目線」で接する人の方が意外と多い

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンとは、お客さまに商品やサービスを売ることだけが仕事だと言わんばかりに、一生懸命、商品やサービスの説明している人をよく見かけます。しかし、果たしてお客さまは、あなたの話を本当に聞きたくて聞いているのでしょうか。

今回のテーマは、心理学用語でいう「心理的な視点取得」です。営業マンは、常に「お客さま視点」でなければいけません。そこで、この「心理的な視点取得」を活用すると、日頃の営業活動にどのような影響を与えるのかを見ていきます。営業マンにとっては非常に基本的なことですが、意外にできていない人が多いので、ご自身の営業スタイルを思い描きながら読み進めてみて下さい。

営業マンの多くは、実は自分を振り返るのが苦手です。それを克服するには、まず自分が商品やサービスを購入する側になったときのことを思い出すことです。自分自身がお客さまとなって、家電やマイカーを購入するとき、もしくは保険を契約するときなどをイメージするといいでしょう。

ここで、2つの事例を紹介します。
あなたは、大型テレビを購入するために、家電量販店を訪れました。そこで接客してくれたのは、店員Zさんです。Zさんはよくいるタイプの店員さんで、あなたの話を聞くよりも、一方的に話し続けます。

店員:お客さま、テレビをお探しですか?

お客さま(あなた):はい。

店員:A社の液晶テレビはコストパフォーマンスがよく、とてもいいですよ。もしくは、今の時代は4Kが当たり前なので、思い切ってB社の4Kの方がいいかもしれないですね。いや、4Kの液晶テレビを購入するなら、C社の有機ELもいいかもしれません。なにせ、画像が格段にキレイですからね。

お客さま(あなた):……。

店員さんからこんな説明をされても、テレビの知識に長けた人でなければ、4Kだの有機ELだの専門用語の話ばかりで意味が分かりませんよね。これでは、完全に「お客さま目線」ではなく「自分目線」の営業です。

次に、店員Xさんが接客してくれました。

店員:お客さま、テレビをお探しですか?

お客さま(あなた):はい。

店員:サイズはどれくらいで、値段のご希望はありますか?

お客さま(あなた):今のテレビが小さいので、大きくしたくて……。

店員:ちなみに、どれくらいの広さのお部屋でお使いですか?

お客さま(あなた):リビングで、ちょうど12畳なんですよ。

店員:では、まず大きさは50インチを基準に選ぶとよさそうですね。 まずは部屋の大きさに対するテレビの大きさを選んで、その後で今のテレビは各社さまざまな特徴がありますので、それをご予算に近いものから順番にご説明しますね。

お客さま(あなた):はい、お願いします。

こんな店員Zさんと、店員Xさんがいたとしたら、あなたはどちらからテレビを購入しますか? 当然、ほとんどの方が店員Xさんを選ぶはずです。

営業マンはこのように「お客さま目線」を意識して接客することが大事なのは、今さら言うまでもあません。ですが、実際にこれができている営業マンは、意外と少ないのが実態です。本来ならば、お客さまの視点(立場)に立って話をしなければならないのに、お客さまの話を聞くことよりも、営業マンが一方的に商品やサービスの説明、もしくは専門的な話をしていることが多いのです。

この例からわかるように、営業マンは常に前述の「心理的な視点取得」を意識する必要があります(お客さま目線)。心理的な視点取得とは、「他者」からどのように見えるか、さらに、ある出来事が他者にはどのように経験されるか、ということの認知です。いわば「相手の視点になりきる営業マン」のイメージです。

では、どのようにしてこの「心理的な視点取得」という考え方を営業活動に取り入れていけばよいのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

口下手でもトップになれる営業術

アルファポリスビジネスの人気Web連載「入社1年目の営業スキル」を書籍化。「上手く話せない」「説得できない」「物が売れない」など、自身の営業スキ...

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