友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

コミュ障が「人に助けてもらえるようになる」ただ一つの方法

なぜペットあずかりアプリは失敗したか?

前回、いろんな人に会って株式会社を作り、1000万円の資金援助を受けて、なんとかモバイルアプリを完成させたものの、ほとんど利用されなかったというお話をしました。

私が作ったのはペットあずかりアプリで、ユーザー同士でペットをあずけたりあずかったりできるサービスです。自分で言うのもなんですが、アプリ自体の完成度は高かったと思います。数少ない知人にも見せましたが、みんな「すごいすごい」「え、一人で作ったの!? マジで!?」とびっくりしたり褒めたりしてくれました。

では、何がいけなかったのか。

アプリをリリースした直後、前職でお世話になった方など数名に、「アプリを作ったので、感想お願いします!」と連絡をしていたのですが、うち2名と直接会い、以下のようなフィードバックをもらいました。

「アプリは公開前に、広告宣伝会社に依頼を出し、ちゃんとプロモーションしないといけない」

「個人でお金かけずにやるにしても、せっかく作ったんだからプレスリリース出したりSNSで拡散させるとか、もっとできることはあったはず」

「そもそもペットを知らない人にあずける、というのはハードルが高いのでは」

「なんで無料? 有料の方が信頼できるユーザーが増えそうなのに」

二人からもらったアドバイスをまとめると、多くの人に知ってもらうための基本をやっていない、どういう人が利用するかという見立てが甘い、というすごく基礎的なことのようでした。

少し考えればわかりそうなことなのに、それでも当時の私が思いつかなかったのは、ずっと一人考えていたからだと思います。人の意見に聞く耳を持たず、独立したんだから一人で何もかもやらなきゃいけないと、勝手に気負いすぎていたのかもしれません。

配送業をアプリで救おう!

その後、私はペットあずかりアプリのことは忘れて、次のアプリを作ろうと考えました。せっかくアプリを作るスキルを習得したので、元を取らねばなりません(笑)

前回の反省を活かし、自分一人で考えるのではなく、人の悩みを直接聞いて、それを解決するアプリを作ることにしました。

そこで私がおこなったのは、かねてから続けていた配送のアルバイトを、フルシフトにすること。
それまで、お手伝いさん的ポジションで配送のアルバイトしていたのですが、フルシフトで入れば、配送業の問題点に気づけるかもしれないし、現場の人とも深く交流できると思ったのです。
それで得た知識で、配送業のトラブルを解決するアプリを作ろうというわけです。

配送のバイトがどんな感じだったか説明すると、まず、朝7時にセンターに集合します。それからセンターで荷物の仕分けを手伝い、自分の車に荷物を積み込み、配る。この繰り返しを朝、昼、夕方と3回やって、終わるのは夜の8~9時でした。

フルで入るまでは、誰かの車に同乗して一緒に荷物を配る手伝いをするくらいだったのですが、フルになったことで一人になり、自分の車を任されました。

車はワンボックスカーで、トランクをガバッと開けて荷物を積んでいきます。センターでの積み込み作業が肝で、ルートに従っていかに効率的に取り出せるかを考えて、積み込んでいくのです。

センターを出たら、地図上のマークに沿って移動し、マークの位置についたらクリップの一番上の伝票をとり、その伝票の荷物をトランクから取り出し、配るだけ。だけ、と書きましたが、このセンターでの作業を含めた一連の仕事を、私は人並みにこなすことができませんでした。
恥ずかしいのであまり書きたくないのですが、私が何度も繰り返したミスを箇条書きにします。

・地図を覚えられないので、マークをつけるのが遅い
・積み込む前にバーコードを端末で読む作業を忘れて一からやり直しになる
・積み込んで位置も覚えたけど、伝票を剥がすのを忘れる

私がのろのろと地図にマークを付けたりしている間に他の車は次々と発車していき、焦りと寂しさを感じたのを覚えています。また、ウケ狙いでやっているのかと疑われるほど、一日に何度も、開いたトランクに頭を強打して呆れられていました。
基本的に時間に遅れそうで慌てているので、事故を起こしそうになったことも一度や二度ではありません。実際、二回ほど軽くぶつけました。

最初はいいダイエットになる、くらいに思っていたのですが、1週間くらいに経つともうひたすらしんどかったです。しかも、お中元のビールとか缶詰とか重い荷物が多かったのもあり、フルシフトを始めて1週間も経たないうちに腰痛に悩まされるようになりました。
お手伝いの期間を含めると1年ほど続けたバイトでしたが、繁忙期が終わったタイミングで「フルシフトは今月いっぱいでお願いします」と敗北宣言しました。

結局、元々の目的であったアプリの開発はできませんでした。というのも、配送現場にいた人たちのほとんどが40、50代以上の男性で、スマホもゲームと電話くらいにしか使わない、なんだったらまだガラケーを使い続けている、という感じで、仮にアプリを作ってもまず使われないだろうなと確信したのです。アプリとかITという単語に拒絶反応を示す人も多く、ろくに話もできなかったのが実情です。他にも理由はたくさんあり、配送業のアプリ作りは断念しました。

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プロフィール

末岐碧衣
末岐碧衣

フリーランス のシステムエンジニア。独立後、一度も営業せずに月収 96 万円を達成。1986年大阪生まれ。早稲田大学理工学部卒。システムエンジニア歴 12年。
2009年、ITコンサルティング企業に入社。3年目でコミュ障が爆発し人間関係が崩壊。うつにより休職するも、復帰後はコミュ障の自覚を持ち、「チームプレイ」を徹底的に避け、会社組織内においても「一人でできる仕事」に専念。社内外から評価を得た。
無理に「チームプレイ」するよりも「一人でできる仕事」に専念した方が自分も周囲も幸せにできることを確信し、2015年フリーランスとして独立。

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