友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

コミュ障でも生きるのが楽になる、「会社に頼らない生き方」のススメ

「一つに頼りすぎない」生き方をしよう

私がフリーランスとして生きていくうえで、もっとも大切にしている考え方について紹介します。

それは「一つに頼りすぎない」というものです。

収入源も、人間関係も、大切なお金の管理先も、一つに頼るのではなく複数に頼ったほうが良いと、私は考えています。

すごくわかりやすくするために極端なことを言うと、収入源を会社一つにするのも、付き合う人を自分と似たような人だけにするのも、お金を預ける先を一つにまとめてしまうのも、ぜんぶリスキーだぞ! というわけです。

この考え方は私にとっては当たり前すぎるので、意識さえしていませんでした。ですが、この連載を進めるにあたり、仕事の仕方や人付き合いの仕方を見直すなかで、自分にとって一番大切なものだと気づきました。

収入源はまだしも、人間関係まで分散しようと言うと、すごく難しそうに感じるかもしれませんが、実は人付き合いが苦手な私のようなコミュ障向きの考え方です。人と関わるのを避け、いろんなことを勝手に一人で抱え込んでしまいがちなコミュ障は、この考え方をするだけですごく楽になるように思います。

今回は「一つに頼りすぎない」ことがいかに私を救ったか、私がその考えに至った経緯について説明します。

たくさんの人に餌をもらえる野良猫の生き方

『ルドルフとイッパイアッテナ』という絵本をご存知でしょうか。2016年に映画化されたので、内容は知らなくても名前くらいは聞いたことがある人もいるかもしれません。

私は子供の頃にこの絵本に出会い、大きな影響を受けました。自分の目指している生き方をこの絵本になぞらえて、「イッパイアッテナ的生き方」と言ったりするくらいです。詳しい内容は実際に読んでいただくとして、導入部分を簡単にまとめるとこんな感じです。

迷子になって家に帰れなくなった飼い猫のルドルフは、ひょんなことから野良猫のイッパイアッテナと出会います。
イッパイアッテナという変な名前なのは、野良猫が「俺の名前はいっぱいあってな」と言った際、「イッパイアッテナ」が名前だとルドルフが勘違いしたためです。
イッパイアッテナは、餌をくれる人々からそれぞれ違う名前で呼ばれており、たくさんの人に可愛がられながら、野良猫生活を謳歌しています。ルドルフはそんなイッパイアッテナから生きる知恵を学びながら、たくましく成長していきます。

当時、子供だった私は、ルドルフのように、住む場所とご飯をくれる人を失ってしまったらどうなるだろうと想像し、とても怖くなったことを覚えています。それと同時に、餌をくれる人がたくさんいるイッパイアッテナ、最強やん! と思っていました。

イッパイアッテナは誰の機嫌をとるでもなく、自由で、ルドルフの面倒を見てあげる余裕があり、賢くて、とてもカッコよく生きていました。子供心に、こんなカッコいい師匠に出会えてルドルフはラッキーだなと思い、憧れるようになったのです。

「一つに頼りすぎない」生き方に目覚めたきっかけ

自由なイッパイアッテナへの憧れは、大人になっても消えませんでした。強く意識はしていなくても、社会に出たら、イッパイアッテナのように自由でカッコよく生きたいなと、何となく思っていたのですが――実際にはほんの数年前まで、正反対の生き方をしていきます。

普通に大学に行き、普通に就職しました。学生時代から受験・就活とずっと競争社会で生きてきた私は、いかに周りの人より秀でるか、稼ぐか、評価されて自分の居場所を作るか、ということで頭がいっぱいになっていました。

会社時代のことは以前書きましたが、そんな生活をするなかで、私は心のバランスを崩してしまいます。それで、自信も貯金もスキルもなく、頼れる人もいないまま、なし崩し的に会社にしがみついていました。

そんななかで私は、ビジネス書を読みあさるようになります。また、当時新しい職業として注目を浴びつつあったYouTuberや、SNSで目立った活動をするインフルエンサーの発言を追うようになりました。

そして、ふと気づきます。みんな、イッパイアッテナのような生き方を目指していると。彼らは次のような発言をよくしていました。

「一つの会社にしがみついていて、その会社が倒産したらどうするの? クビになったらどうするの?」
「一つのスキルだけ磨いて、それが必要とされない社会になったらどうするの?」
「収入源が複数あれば、一つダメになっても安心でしょ? 俺はそうやって、いま自由に生きてるよ!」

これらの声と、自分の中で膨れ上がっていた「このままでいいのか」という疑問の声、そしてイッパイアッテナへの憧れが結びつき、私が会社を辞めるのを後押ししてくれたように思います。

イッパイアッテナ的生き方とは

ここでいったん、イッパイアッテナ的生き方について簡単に解説します。

イッパイアッテナは住むところも、餌をもらう先もたくさん持っています。なので、そのうち一つがなくなっても、がっかりはするでしょうが、大きくダメージを受けることはありません。心と体を壊してまで、会社にすがっていた私とは大違いです。

このイッパイアッテナ的生き方のベースになっているのは、ちょっと難しい言い回しをすると、リスク分散の考え方です。

投資の世界ではポートフォリオを組む、すなわちリスクを分散させることが推奨されています。例えば、一つの会社の株に全財産を注ぎ込むことは、普通はしません。大儲けするか、全財産失うかわからないからです。

複数の会社の株を買っておき、どれかが暴落しても全てを失わないようにしておくのです。もっというと、資産が全て株だと、景気が悪くなったときに全滅してしまう可能性があるので、一部は預金、一部は株、一部は金(ゴールド)、一部は国債、一部は不動産、というように資産を分散させるのが理想とされています。

私は、こうした考え方を人の生き方自体にも適応すべきだと思っています。元からそういう生き方に憧れを抱いていたというのもありますが、実際に社会人として働くなかで、その考えは強くなりました。

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プロフィール

末岐碧衣
末岐碧衣

フリーランス のシステムエンジニア。独立後、一度も営業せずに月収 96 万円を達成。1986年大阪生まれ。早稲田大学理工学部卒。システムエンジニア歴 12年。
2009年、ITコンサルティング企業に入社。3年目でコミュ障が爆発し人間関係が崩壊。うつにより休職するも、復帰後はコミュ障の自覚を持ち、「チームプレイ」を徹底的に避け、会社組織内においても「一人でできる仕事」に専念。社内外から評価を得た。
無理に「チームプレイ」するよりも「一人でできる仕事」に専念した方が自分も周囲も幸せにできることを確信し、2015年フリーランスとして独立。

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