その仕事、誰かに任せなさい!

仕事って楽しい! 任せ上手な上司のもとで、部下がワクワク仕事を楽しめる理由

2019.10.18 公式 その仕事、誰かに任せなさい! 第8回
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ワクワク感があれば、部下は仕事を「任されたくなる」

突然ですが、あなたの部下は、仕事に対してワクワクしていますか?
それともつまらなそうにしていますか?

上司が仕事を任せようとしたときに、部下がワクワクしている状態かどうかは、チームでビジネスをするうえで非常に重要です。

ほとんどの上司は、部下に仕事を「お願いしている」現状があります。
この仕事をやってくれないかとお願いし、部下は仕方なくその仕事を引き受けています。

すると、任せれば任せるほど、部下は上司に変わって「やってあげた」と恩を売ることになり、部下が自分から進んで仕事を奪ってゆくような状態にはなりません。

しかし、任せ上手な上司は、仕事を「お願いしてやってもらう」というアプローチを採りません。部下が自ら「その仕事をやりたい」という状態を作り出します。

その大事なポイントが、「ワクワク感」です。

部下が「ワクワク状態」であれば、自らその仕事をやりたいと前のめりになり、あなたが任せようとする以上にあなたの仕事を奪おうと意欲的になります。

では、部下をワクワクさせる上司と、つまらなくさせる上司の違いはどこにあるのでしょうか。

そして、あなた自身はいかがでしょうか?

常にワクワクしながら仕事ができていますか?

このワクワク感の正体をつかみ、上手に使いこなすことができれば、あなたの仕事は全く違ったものになります。

まず、「ワクワク感」とはどんな状態かを考えていきましょう。
どんなときにワクワクするのか、実は本人が知らない場合が多いのです。

手始めに、今までの人生でワクワクした瞬間を思いつく限り書き出してみてください。
プライベートと仕事に分けて書き出すとうまくいきます。

大好きなアーティストのコンサートが間近に迫り、楽しみで仕方がない。
スマートフォンの最新機能を知り、使いこなす自分を想像して心が躍る。
引っ越しで住む場所が変わり、新しい生活に期待感をつのらせる。
目標にしていた試験に合格し、これからの人生に夢をふくらませる。

など、プライベートでワクワクする瞬間というのは簡単に書き出せると思います。

私は旅行好きなので、旅行の計画が数ヵ月先にあるだけで、ずっとワクワクしていられます。

人はいろいろな場面でワクワクした状態を経験していると思いますが、共通しているのは、「自分の好きなことや面白いと思うことがこの先増えそうだという見通し」が立って「未来への期待感」が高まったときであることです。

これからどんな未来になるのか?
どんな自分に出会えるのか?
どんな可能性が広がっているのか?

未来を想像したときに、自分の好きなこと、面白いと思うことが増えそうだと思えたら、ワクワク感は止まりません。

ワクワクとは、「未来への期待感」なのです。

私の研修で「このワクワク感が仕事にもありますか?」と質問すると、「全く感じていない」と返答する方が本当に多いです。
プライベートでは簡単に抱けるワクワク感が、仕事では感じることができていないのです。
上司も部下もワクワクすることなく、ただ仕事を任せたり任されたりしているとは、なんとも味気ない職場ではないでしょうか。

あなたの会話の「未来比率」は何%?

そんな部下をワクワクさせる方法が、たった1つあります。

それは、会話の「未来比率」を上げることです。

あなたの会話を過去・現在・未来の3つに分けたとき、それぞれは全体の何%を占めていますか?

ほとんどのビジネスマンは「現在」のことばかり話しています。
以前にも紹介しましたが、この状態を「今月思考」と呼んでいます。

・今動いているプロジェクトをどうやって進めるか。
・直近の報告書をどう仕上げるか。
・今月の業績をどう達成するか。

このように、実は現在の1ヵ月前後の会話のみをしているビジネスマンが実に多いのです。
しかし、現在の話をしていても、将来を見通すことはできません。

そして、次に多いのが「過去」の話でしょう。
過去の話というのは、関係性を深めるのに有効です。
昔はこうだった、と先輩の話を聞けば、成功体験も失敗体験も勉強になりますし、笑い話などで過去の話を共有すれば、お互いを深く知ることになり、関係性を強めることができます。
しかし、毎日顔を合わせる部下との会話で過去の比率が高すぎるのは問題です。
過去にばかり目が向いている上司と会話をしても、部下は将来の見通しを持てるようにはなりません。

増やすべきは、やはり「未来」の話なのです。
これからどうなっていくのか、どうしたいのか、何ができるようになるのか、といった未来の話をすることで、将来の見通しを共有することができます。

多くのビジネスマンは、会話におけるこの「未来比率」が圧倒的に低いのです。
逆に、任せ上手な人は、部下と「未来」の話をたくさんします。

自分のチームメンバーが集まったときに、会話内容の未来比率がどのくらいなのかを観察してみてください。
現在の愚痴や過去の話ばかりしているとしたら、そこにはワクワク感などほとんどないはずです。

そういう意味では、会話の「未来比率」が高いチームというのは、ある意味最強です。

これからどうしていきたいのか。
どうしたらもっとよくなるか。

話し合うほどに「現在の不満や問題点」を「未来への提案」に変換し、現在をどんどん改善することができます。
それゆえ、部下との会話の「未来比率」を上げる必要があるのです。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。研修の企画・講師を年200回、トータル2000社、累計2万人を超えるビジネスリーダーの組織づくりに関わってきた。2012年「株式会社チームD」を設立、現代表。部下に仕事を任せ、一人ひとりが目標に燃える最強の組織を構築する技術に定評がある。

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