上司1年目は“仕組み”を使え!

上司一年目、たった3つの教育で部下がみるみる育つ理由

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「なかなか育たない部下」「覚えの悪い部下」、
育てられるか不安ではないですか?

あなたは、部下を思った通りに育てられるだろうか、と不安になっていませんか?
上司になりたての人は、部下をどう育てたらいいか、わからなくて当然です。

やる気があって覚えのいい部下がついてくれればいいのですが、もしとっても不器用で覚えが悪く、意欲が見えにくい部下を育てることになったら、毎日部下の育成で悩むことになりがちです。

部下育成の難易度は、「部下のレベル」によってガラッと変わるというのは事実です。
育ちやすい人を育てるのはカンタン。
問題は、育ちにくい人を育てなければならないときです。

部下育成は、基本的には「あなたができる仕事」を部下にやってもらうだけでも成果が上がるものなのですが、あなたの仕事をあなたのように覚えてくれない、やってくれない。
これが、世の上司たちが苦労する点なのです。

もし、あなたがそんな不安を感じていても、心配いりません。

育ちにくい部下でも育成できる「仕組み」があります。
それが今回紹介する「教育の仕組み」です。

このメカニズムを理解すると、部下の育成が格段に楽になります。

まず、部下を育成しようとしたときに、絶対にやるべき3つの教育を理解しましょう。
①手順教育
②基準教育
③なぜの教育

この3つが揃わなければ、育成は恐ろしく非効率になりますから、ゼッタイに
理解しておいてくださいね!

①手順教育とは
部下を育成しようとして、真っ先に浮かぶのは「マニュアル」ではないですか?
いいマニュアルさえあれば、部下がそれを見て勝手に育ってくれる。
都合のいいマニュアルがあれば……。そう願うのが、世のリーダーの常です。

そんなリーダーにならないために、ここで一歩立ち止まり、マニュアルについて考えましょう。
私たちが何気なく使っている「マニュアル」、実は、「手順書」と訳されます。
仕事の「手順」を分解して誰でもできるように示したもの、それがマニュアルです。
つまり、手順教育とは、マニュアル教育といって差し支えありません。

例えば窓掃除を教えようと思えば、
①窓に掃除洗剤をスプレーして5分置く
②少し濡らした布巾で汚れを拭き取る
③乾いた布巾で乾拭きをする
④しっかり乾燥させる
といった手順を教えれば、誰でも同じように掃除ができます。カンタンですね。
これが「手順教育」です。

マニュアルというと、分厚い説明書をイメージしてしまいますが、あなたがやっている仕事を分解し、順番に並べるだけでいいのです。

②基準教育とは
一方で、「基準教育」とは、「どの状態に持っていけばゴールなのかを教える教育」のことです。
「この状態がゴールだよ」と、仕事の「達成基準」を教えてあげるのが基準教育です。
「達成基準」なんて四字熟語で書いてしまうと、難しそうに感じるかもしれませんが、なんのことはありません。
あなたの仕事が達成された状態を伝えてあげればいいだけです。

例えば、さきほどの窓掃除、「仕事を達成した状態」とは、どんな状態でしょうか?
窓掃除したのに「拭きムラだらけ」な人がいませんか?
正面からみたらきれいな窓なのに、斜めから見たら拭きムラだらけ。
これでは仕事が終わったとは言えませんよね。
仕事は、「手順」を進めるだけでは完成しません。ちゃんと達成基準に向けて完了しなければいけないのです。

「手順だけ教育」「基準だけ教育」
どっちでも大失敗

さあ、「手順教育」と「基準教育」の違い、理解できましたか?

分かっている人にとっては当たり前のこの2つの教育、意外と両方「できている」人は少ないのです。
案外、どちらかになってしまっているんですよね。

手順だけ示して基準を示さないのは、本当によくあります。
手順さえ教えれば、その部下はひと通り仕事を進めることが出来ます。

・窓はこうやって掃除をするんだよ
・議事録はこうやって取るんだよ
・資料はこうやって作るんだよ

そうやって手順を示せば、「とりあえず」部下は仕事を進めてくれます。
ところが、手順がわかったとしても、どの状態にしたらいいのか、つまり「仕事のゴール=基準」がわからないので、その仕事がうまくいったのかどうか、部下は自分で判断できません。

したがって、手順通りにやったとしても、仕事の品質基準が低くなったり、逆に過剰品質になって時間がかかり過ぎたりします。
その結果、多くのムダが生まれます。

逆に、基準だけ示して、「やり方は任せる」という、丸投げに近い教え方。
これも本当によくやってしまうアプローチです。

「昔の職人さん」がまさにこのイメージです。いわゆる「見て盗め」スタイルで、上司がやっているのを見ながら「手順は自分で見つけろ」という大変非効率な育成方法です。

職人さんの肩を持つとすれば、この育成方法にもメリットはあります。
部下が自分で考えて動くようになったり、手順を自分で設計できる主体性と能力が身についたりすることもあるのですが、多くの場合、ムダに育成時間がかかってしまいます。

手順と基準は両方教育した方が、育成スピードは圧倒的に早くなります。

では、もっとも重要でありながら、最もぬけてしまいがちな3つめの教育を紹介しましょう。

→<次ページ:「なぜの教育」があなたのチームを燃える集団に変える~1人ひとりが考えて動く主体的なチームにする超シンプルな仕組みとは~>

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の書籍化。「部下に仕事を任せられないリーダー」をテーマに、いかに...
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