上司1年目は“仕組み”を使え!

上司一年目、たった3つの教育で部下がみるみる育つ理由

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「なぜの教育」が必要な理由
世の中は「自分のため」に働く人ばかり

③なぜの教育とは
「なぜの教育」とは、仕事の目的を考えさせる教育のことです。

・なぜこの仕事をするのか
・なぜ窓を掃除する必要があるのか
・なぜ議事録を取る必要があるのか
・なぜ資料を作る必要があるのか

この理由を教育できているかどうかが、部下の長期的な能力を伸ばす最重要項目なのです。

なぜ、「なぜの教育」が重要なのか。
それは、仕事には「有意味感」が必要だからです。

有意味感とは、その仕事に「意味がある」、「価値がある」と感じることです。

皆さんは、自分の仕事に有意味感がありますか?

有意味感の逆は「やらされ感」です。
「やらされ感」でやる仕事は、嫌ですよね。
どれだけ「手順」と「基準」を示されても、「有意味感」がなければただの「やらされ仕事」です。

これから育てる皆さんの部下が、「有意味感」を持っているかどうかが、部下育成の効果を180度変えます。

「有意味感」がないと……、
モチベーションが上がらないのはもちろん、覚えが悪くなります。
なるべく手を抜こうとしますし、途中で投げ出したりもします。

つまり、部下育成は「なぜの教育」にかかっているのです

「なぜの教育」=質問
「その仕事、何のためにやっているの?」

初めて取り組む仕事には、「この仕事は何のためにやっているのか、理解している?」と部下に質問し、答えを聞いてあげましょう。

この質問の答えに、部下が意味を感じていればOKです。
・窓を掃除するのは、自分がきれい好きだから。お客さんにも気持ちよく過ごしてほしいから。
・議事録を取るのは、仕事を抜け漏れなく共有して顧客への成果を最大化するため。
・資料を作るのは、顧客に価値を伝えるため。

そんな、単純なことで大丈夫なのです。

仕事に意味を感じるかどうかで、やらされ感は解消されます。

これを繰り返していくうちに、部下自身が「仕事の意味」を考え始めたら、うまくいったも同然です。

部下が「仕事の意味をうまく答えられたか」ではなく、「仕事の意味を考えたか」を大事にしていれば、部下は徐々に仕事の意味を考えられるようになります。

手順教育と基準教育が上手だと、部下の育成スピードはあがります。
しかし「なぜの教育」ができていないと、部下はただのやらされ集団になってしまいます。

そればかりか、自分で考えられない集団になってしまいます。
なぜを理解していない部下は、少しでも状況が変わって臨機応変に対応しなければならない場面に遭遇すると、とたんに判断できなくなります。

・教わった基準と違う
・教わった手順と違う

そうなったらアウトです。

「なぜ」を理解していると、有意味感でモチベーションが高いだけでなく、部下は状況に合わせて、自分で考えて意思決定することができるようになります。

「なぜの教育」の驚異的な効果

手順を伝え、基準を伝え、なぜを教える。
「とりあえず思考」で考えれば、面倒で非効率な時間がかかるアクションに感じるかもしれません。
ところが、教育の最初にかならず「なぜの教育」=「仕事の目的を質問する」ということを「仕組み」としてルーティンにしてしまえば、その後の教育は大変効率的なだけでなく、部下が自分で考えて行動でき、勝手に育つ強いチームに生まれ変わります。

したがって、最初の入り口を間違えてはいけません。

「手順教育」「基準教育」「なぜの教育」。この3つに徹底的に力を入れるべきなのです。
もしこの3つを使いこなすことが出来れば、たとえ上司1年目のあなたでも、恐るべき部下の育成能力を発揮できることでしょう。

次回へ続く

 

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

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