上司1年目は“仕組み”を使え!

「部下が辞めない新任上司」になる、たった1つの大切なこと

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感謝できない上司は要注意!
感謝できない上司の特徴とは

「感謝」は、実にカンタンに使うことができます。
能力は必要ありません。
これを「仕組み」として使うことで、部下は目標を持ち、成長を感じ、有意味感、有効感、自己決定感を感じるようになります。

あなたは、部下に対して感謝していますか?
そして、その感謝を伝えていますか?

感謝というのは、ものすごいパワーを持っています。

感謝を伝えられる上司には、人が集まり、人が育ち、人が離れません。
感謝を伝えられない上司では、人が育たず、人から避けられ、人が離れます。

仕事でもプライベートでも、感謝を伝えられる人になることが重要です。

では、なぜ上司は感謝できないのでしょうか。

感謝には、3つの段階があります。
<感謝の3レベル>
①「結果」への感謝
②「行動」への感謝
③「存在」への感謝

感謝できない人は、「結果」を出さないと感謝しない人です。
結果を出す部下には「君のおかげで達成できたよ」と感謝の言葉をかけることができるのですが、結果を出せない部下にはどうしても厳しくなってしまいます。

すると、「行動」に感謝できません。

部下が資料を作っても「なんだこの資料は」「全然なってないな」「やる気あるの?」と言葉がきつくなります。
部下は、「この人には何をやってもムダだ」と、あなたのために頑張りたいと思わなくなります。

存在への感謝ができる人は、最強です。
実際に存在に感謝できているチームというのがあって、そういう職場は、朝の挨拶の態度からして違います。
「いてくれてありがとう」「今日も仕事に来てくれてありがとう」「頑張ってくれてありがとう」と、部下の存在そのものに感謝の気持ちがあるので、部下は毎日、「今日も会えてうれしい」「職場に行くのが楽しい」という気持ちをお互いが抱くようになります。
素晴らしいチームだと思いませんか?

部下を辞めさせる上司は、存在に感謝することの重要性に気付いていません。

「存在に感謝する」
そんなことできるの?

「存在への感謝を伝える仕組み」を身に付けると、あなたのチームの部下は、職場に行くのが楽しく、徐々に自分で目標を持ち始め、達成感や成長感を得て有意味感、有効感、自己決定感を持って仕事をするメンバーへと変わって行きます。

<存在への感謝を伝える3つの仕組み>
①挨拶リアクション
②発言リアクション
③仕事リアクション

①挨拶リアクション
朝の挨拶で、あなたはどうリアクションしていますか?
部下に会えてうれしい、ありがたい、と思って挨拶していますでしょうか。
あなたの感謝の気持ちは、部下に伝わります。
感謝の気持ちがあれば、目を見て、気持ちを込めて「おはよう」が言えるはずです。
目を見ず、作業をしながらパソコンに向かって挨拶したり、誰でもない空間に向って「おはようございます」とつぶやくだけだったり、挨拶がない職場もあります。
まず挨拶から変えてください。

②発言リアクション
部下の発言に対し、どうリアクションしていますか?
ポイントは、部下の発言の内容がよかったかどうかの「結果」ではなく、発言したという「行動」に感謝を示すことです。
「意見してくれてありがとう」「よくしようと思ってくれてありがとう」と感謝を伝えたうえで、その中身を議論することで、相手は「発言してよかった」と思うようになります。

③仕事リアクション
部下の「仕事」に対するリアクションが変わると、部下の姿勢はかなり変わります。
ここでも重要なことは、仕事の内容がいいかどうかの「結果」ではなく、仕事に取り組んだという「行動」に感謝を示すことです。
「取り組んでくれてありがとう」「よくやってくれたね」「助かったよ」と感謝を伝えたうえで、「ここをもっとこうしてくれないか」「この部分はどうかな」と修正していけばよいのです。

ありがとうの反対は?
感謝が持つものすごいパワー

よく言われることですが、「ありがとう(感謝)」の反対は何でしょうか?

ありがとうの反対は、「当たり前」です。

感謝できない人は、全部当たり前だと思ってしまいます。

存在するのも当たり前、行動するのも当たり前、結果を出すのも当たり前。
仕事をしていたら、当たり前でしょ、と考えます。

これは、非常にもったいないことです。

仕事は結果を出さなければいけませんから、結果を出すまで部下と一緒に取り組む必要がありますが、「存在」と「行動」に感謝を示すことに、何のデメリットもありません。

挨拶、発言、仕事へのリアクションを「仕組み」としてほぼ自動的に感謝を伝えられるようになると、あなたの部下は変わります。

仕事に行くのが楽しくなり、行動するのが喜びになります。
仕事に意味を感じ(有意味感)、自分の仕事が役に立っている喜び(有効感)を得て、もっと役に立ちたいと思うようになります。
自ら目標を立て(自己決定感)、目標に向かって動くから成長し、成長を感謝されるから自分の成長を実感でき(成長感)、目標を達成することで達成感を得ます。

動機付け要因を生み出す原点は、感謝です。

存在と行動に、感謝できる人になりましょう。

するとあなたの部下は、ぴたりと辞めなくなるでしょう。

次回へ続く

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の書籍化。「部下に仕事を任せられないリーダー」をテーマに、いかに...
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