上司1年目は“仕組み”を使え!

「自ら考える部下」を育てる、新任上司の「質問力」

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あなたの部下は、自ら考えて行動する
「主体的」な人ですか?

あなたの部下は、何でも自分で考えて行動する「主体的」な人ですか?

もしも自ら考え、行動してくれたなら、どれだけ助かることでしょうか。

しかし実際は、
・言われないとやらない
・どうしたらいいか考えない
・放っておくと何もしない
ということが多いのではないでしょうか。

はじめて部下を持って、部下が「自分で考えてくれない」というのは実に多い悩みです。

では、どうすれば自ら考え、行動してくれる「主体的」な部下になってくれるのか。

それは、実は、上司の「質問力」にかかっているのです。

あなたの部下への指示の出し方、仕事の任せ方、育て方において、「質問力」を使えているかどうかで、主体的な部下を作ることが可能になるのです。

とてもカンタンなことですが、意外に実践できている人が少ないのが現状です。

この「質問をする仕組み」を使うことで、部下はどんどん主体的になっていきます。
今回は、部下を主体的にする「質問の仕組み」を身に付けましょう。

主体性=「問いのレベル」
上司からの質問が主体性を高める

少し目線を変えて、そもそも「主体的」とはどういう状態なのかを考えてみましょう。

皆さんの周りにいる主体的な人を思い浮かべてください。
その人は、必ず「問い」を持っているはずです。
・いま、何の仕事をしたらいいか?
・どうすればこの問題を解決できるか?
・誰か相談できる人はいないか?
・もっといいアイデアはないか?
・この仕事がもっとうまく行くためにはどうすればいいか?

このような問いがある状態を「主体的」だといいます。

主体的でない人には、問いがありません。
ただ作業をこなす、仕事を終わらせることにだけ着目し、「どうすれば?」「なぜ?」といった問いがないので、説明しても耳に入らず、覚えません。

逆に言えば、常に自身に「問い」がある状態にできれば、部下を主体的な人に変革させることができるということです。

そこで重要になるのが「上司の質問力」です。

部下の育成において、質問には、3つの機能があります。

① 「伝達」を「質問」に変え、相手の「関心」を高める
② 「指示」を「質問」に変え、相手に「考え」させる
③ 「確認」を「質問」に変え、相手の「理解度」を高める

① 「伝達」を「質問」に変え、相手の「関心」を高める
人は質問されると関心が高まります。
新任マネージャーは、得てして「伝達」が苦手です。
なぜなら、聞き手の関心を引き出すことができないからです。
「今月の目標は〇〇円です」
「来月は〇〇に取り組みます」
というように、決まっていることを「伝達」する際、部下の関心を高めることができないため、ほとんど覚えてもらえず、後になって「伝えたよね」「聞いてないです」という不毛なやり取りが繰り返されてしまうのです。

そこを
「今月の目標はいくらだと思う?」
「来月は何に取り組んだらいいと思う?」
と「伝達」を「質問」に変えるだけでぐっと関心が高まるのです。

② 「指示」を「質問」に変え、相手に「考え」させる
もう1つが、相手に「考えさせる」機能です。
人は質問されると、つい「考えて」しまいます。
「今日のごはんは何を食べたい?」と質問されると、食べたいものを考えます。
「明日の予定は何?」と質問されると、明日のスケジュールを考えます。
「来月の目標は何?」と質問されると、来月の目標を考えるようになります。
「将来の夢は何?」といつも質問されると、将来の夢を常に考える人になります。

皆さんは、部下に指示を出す際に、考えさせていますか?
・どうやったらうまく行くと思う?
・この情報は誰が持っているかな?
・前に教えた方法でできないかな?
・いつまでに終わらせたらいいと思う?

このような問いを与えて考えさせる前に、どんどん「答え」を与えてしまうことが多いのではないでしょうか。

特に新任上司が「指示出し」を続けていると、部下は「指示待ち」人間ばかりになり、自分で考える人が育たないという、負のスパイラルに陥ります。

逆に言えば、部下に考えてほしいことを「指示」ではなく「質問」に変えれば、部下はそのことについて、いやおうなしに考えるようになります。

つまり、上司であるあなたは、部下に考えてほしい質問をすることで、部下の「問い」のレベルを上げることができるわけです。

③ 「確認」を「質問」に変え、相手の「理解度」を高める
最後の1つが、相手の「理解度」を高める機能です。
皆さんは、指示を出した後、部下が理解したかどうか、確認を取っていますか?
私の前職のコンサルティング会社では、上司が部下に仕事を依頼する際、必ず「復唱」してもらうという習慣がありました。
伝えたつもりでも、復唱してもらうと、思った以上に理解できていなかったり、抜け漏れがあったりするのです。

この「確認」も、上司が「〇〇は理解できた?」「〇〇は大丈夫?」と1つひとつを質問して確認を取ることも重要ですが、「今言った指示を復唱してくれる?」と丸々答えさせるほうが、部下は指示内容を自分で確認し、考えるようになるのです。

部下の「関心」を高め「考え」させ、「確認」を取る。
これを質問で行うことで、部下の考える力は飛躍的に高まります。

こんなカンタンなことが、意外と実行できていないのが、新任上司の実情なのです。

→<次ページ:「自分で考えて動く部下になる」質問力をつける「仕組み」~「会議・ミーティング」「1on1面談」で知っていることへの質問を当たり前にする!>

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

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