上司1年目は“仕組み”を使え!

上司1年目に必要な、賢い「仲間の集め方」

2021.10.07 公式 上司1年目は“仕組み”を使え! 第11回
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仲間と呼べる人がいますか?

あなたには、「仲間」と呼べる人がいますか?

漫画やアニメの世界では、「仲間を集めること」は実に身近なテーマです。
一緒に宝を探したり、スポーツで優勝を目指したり、悪者から世界を守ったり。

物語の主人公は仲間を集め、旅を楽しみながら目的を達成して行きます。

しかし、ビジネスではどうでしょうか?

あなたは仲間を集め、同じ目標を目指し、困難を乗り越え、仕事を楽しみながら目的に向かって働けているでしょうか?

恐らくほとんどの場合、仲間を集められず、目標はバラバラ。
仕事を楽しめず、1人で苦しんでいる……。
そういう「孤独な主人公状態」になっている人が多いのではないでしょうか。

私もそうでした。
協力的ではなく、やらされ感でいやいや働く部下たち、上司は味方と思えず、誰にも頼れず、誰からも頼りにされず、「自分は1人だ」と孤独を感じ、苦しんでいました。

上司になったばかりの人にとって、仲間集めができるかどうかは極めて重要な課題です。
ところが、そもそも「仲間集め」をしようとすらしていないのが現状です。

今回は、新任上司でもできる「仲間の集め方」について解説します。

あなたの部下は「仲間」ですか?

部下の立場に立って考えていきましょう。

あなたの部下は、なぜあなたのチームに所属しているのでしょうか。
多くの場合、「会社から言われたから」でしょう。

共通の目的があるわけでもなく、
ついて行きたいとあなたに惹かれたわけでもなく、
会社から配属を決められ、上司はこの人です、と言われたからあなたの部署にいる。

そんな部下に、ただ仕事を与え、一緒に働くだけでは「仲間」にはなりません。

部下に気を使って遠慮がちに付き合えば、徐々になめられていきます。
逆に高圧的にかかわれば、やらされ感満載で嫌々働く部下になってしまいます。

では、どう関われば、共に同じ目標を目指す仲間になってくれるのでしょうか?

部下を仲間にするには、3つのステップが必要です。

ステップ1・・・目的を示す
ステップ2・・・利害を一致させる
ステップ3・・・一緒に喜ぶ

1つずつ見てみましょう。

ステップ1・・・目的を示す

あなたは部下に目的を示していますか?

ここでつまずく人があまりに多いのが実情です。
目的を示せない人は、目的には「根拠が必要」だと思いすぎる傾向があります。

あなたはどうでしょうか?
なぜそれを目指すのか、どうしたらできるのか、「根拠」が見つからないことが原因で、目的を示すことができない――。
しかし、目的に根拠は必要なのでしょうか。

「海賊王に、オレはなる」
「全国制覇するぞ」

アニメの主人公の目的に、実は根拠はありません。
なぜ、とかどうやって、と考える前に「絶対になる」と決めている。
それがスタートラインです。

あなたも、どんなことでも、根拠なく目的を掲げて構わないのです。
「エリアで1番になる」
「お客様が100人いたら、100人に喜んでもらうサービスにする」
「契約率30%を超える営業マンになる」

自分が目指したいと思うものを示すと、周りは応援してくれるようになります。
何らかの目的がないと、仲間は集まりません。
まずは目的を示しましょう。

ステップ2・・・利害を一致させる

そのうえで、部下と利害を一致させます。
仲間づくりにおいて、利害を一致させることは極めて重要です。
利害を一致させるには、欲求を2つに分けて考える必要があります。

利己的欲求・・・自分が認められたい、自分の都合を優先したい
利他的欲求・・・相手に喜んでもらいたい、人の役に立ちたい

あなたの部下は、どちらの欲求が強いですか?

利他的欲求が強いなら、仲間にするのは比較的カンタンです。
どうやって顧客に喜んでもらうか、どうすれば人の役に立てるかを話し合い、
共通の目的になれば、後は役割分担をして一緒に目指して行けます。

難しいのは、利己的な欲求「しか」ない人です。
自分のことにしか関心がなく、与えられた仕事はやるけれど、それ以上はしたくない。
顧客の役に立つかどうかよりも、自分の休みや労働時間を優先する。
こういう部下の方が実際には多いでしょう。

利己的な部下に、利他的な目的を伝えても、全く響きません。
では、どうするかというと、ズバリ、「利己的な欲求を満たす方法」を共有することです。

お金を稼ぎたいなら、どうすれば稼げるのか。
自分の休日や労働時間を守りたいなら、どうすれば守れるのか。
その具体的な方法を共有します。

ここからが重要です。
ここでのポイントは、利己的な欲求を満たそうと思えば、実は利他的な欲求を満たすことが近道であると理解させることです。

お金を稼ごうと思えば、誰かの役に立たなければもらえるお金は増えません。
休みや労働時間を確保したければ、誰かの役に立てば立つほど、短い時間で成果をあげられるようになります。

皮肉なことに、利己的な「だけ」の人は、利己的なままだと利己的な欲求を満たせません。
これは、ビジネスの真理です。
ビジネスの根本は、人の役に立つことによって経済的な対価を得ることですから、利己的な人は、実は利己的なだけではその欲求を満たせないのです。

長い目で見て、本当に利己的なままでいいのかを考えて行くと、利他的な欲求を満たして行くことが合理的であるということに必ずなります。

そこまで持って行けるかどうかが、仲間づくりのキモです。

→<次ページ:新米リーダーでもできる仲間の集め方~上司を仲間にする方法~>

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の書籍化。「部下に仕事を任せられないリーダー」をテーマに、いかに...
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