上司1年目は“仕組み”を使え!

上司1年目は、まず仕事を「見える化」せよ!

2021.10.21 公式 上司1年目は“仕組み”を使え! 第12回
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あなたは「見える化」していますか?
「見える化」の重要性、理解していますか?

「見える化」、ビジネスにおいて、頻繁に耳にする言葉です。

ところが、上司になりたてのビジネスマンは、この「見える化」が苦手です。

それどころか、「見える化」とは何をすればいいのか、どんないいことがあるのか、その意味も効果も理解できていないことが多いのが実態です。

プレイヤーとして仕事をするなら、見える化はそれほど重要なテーマではありません。

しかし、部下を持ち、マネジメントをしようと思うと、この「見える化」を理解し、実行できているかどうかで、チームのレベルには雲泥の差が生まれます。

今回は「見える化」とは何か、「見える化」をするとどんな効果があるのかを理解し、「見える化」を使いこなすための方法を解説します。

「見える化」って何するの?

見える化とは、どのような業務が、どのような流れで行われているのかを、グラフや図表などを使い、目に見て分かるようにすることです。

ここで重要なのは、単に「見える」ようにするのではなく、見たい、見たくないという意思とは関係なく、「見えてしまう」状態を構築することです。

したがって、「パソコンを開けば見えるでしょ」「ファイルに入れているでしょ」という状態は、パソコンやファイルを開かなければ見えないので、「見える化」しているとは言えません。

さらに踏み込んで、「見える化」を3つに分解します。

①「目標」の見える化
②「現状」の見える化
③「対策」の見える化

私はこれまでさまざまな組織を見てきましたが、業種業界にかかわらず、多くの人がいきなり③の「対策」からはじめてしまいます。

対策の前に、「現状」と「目標」が共有できていないと、成果につながらない「対策」になってしまいます。

皆さんが体調を崩して、熱と咳が出たときに、原因を把握せずに熱冷ましと咳止めという「対策」を処方されたらどうなるでしょうか?

身体の中の病原と戦っているから熱が出て、病原を体外に追い出そうと咳をしているのに、その原因を把握せずに熱や咳を止めたら、さらに体調を悪化させることになりかねません。

それと同じように、仕事において、業績をあげようとしたときに、現状と目標を把握せずに「対策」から考えてしまう例は大変多いのです。
・お客さんが少ないからビラを撒こう
・新規顧客開拓のためにテレアポをしよう
・部内の情報共有のためにオフィスで毎日朝礼をやろう

これらは全て「対策」です。
そもそも売上目標がいくらで、今はどれくらい足りていないのか。
どんなターゲットの売上が伸びていて、どのターゲットが下がっているのか。
チームをどのような状態にするのが理想なのか。

そうした前提条件の認識がバラバラの状態でいくら闇雲に対策を打ったところで、成果にはつながりません。
暗闇の中で、走り回るウサギを撃ち倒そうとするようなものです。

多くの場合、チームのメンバーが、現状も目標もわからないまま、対策に追われているのです。

するとどうなるでしょうか。

仕事が単なる「作業」となり、モチベーションは下がり、成果も出ない。
部下はやる気をなくし、ますますあなたの言うことをきかなくなり、部下育成とチーム運営に悩まされるというわけです。

目標=行先。ゴールが見えているからこそ頑張れる。

あなたのチームでは、チームの目標をメンバーと共有していますか?

多くのチームは、目標の共有ができていません。

「年間目標を立てています」
「毎月目標の進捗を会議で共有しています」

というチームは多いのですが、メンバーに目標を訪ねると、うろ覚えでよくわかっていないということが往々にしてありえます。

ここで白状しますが、実は私が新任リーダーだったころ、部下と目標を共有するどころか、私自身が部門の目標をうっすらとしか把握していませんでした。
プレイヤーの延長に過ぎなかった私は、「自分が結果を出せば達成できるだろう」くらいにしか考えていなかったので、部下の個人目標がいくらで、チーム全体でいくら達成しなければならないのか、そんなことも全く見えていない状況でした。

ここまでヒドイ状況ではないにしても、メンバー全員が目標を理解し、目指せている状態にないチームは実に多い印象です。

そこで、「目標」の「見える化」をします。
見たい・見たくないの意思に関係なく、見えるようにしてしまいます。
とても単純なことですが、会社から与えられている目標を見えるところに貼り出す。
それだけでなく、自分たちがどのようなチームを築いていきたいか、といったチームの目標もメンバーと一緒に話し合って決め、それぞれ目に見えるところに貼り出しておくことで、より目標が自分事化します。

→<次ページ:目標を「みんなで決める」と「見える化」できる!~見える化できる目標の決め方とは>

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の書籍化。「部下に仕事を任せられないリーダー」をテーマに、いかに...
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