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ビットコイン潰しはあるのか?

2017.12.07 ピックアップ 外から見る日本、見られる日本人

ビットコインについては再三再四、取り上げてきましたが、ここにきて新展開入りする気配を感じてきました。膨張するビットコイン価格が破裂し、巨大なブラックホールとなって投機マネーを吸い込んでしまうシナリオであります。

ビットコインは2010年から今日まで100万倍の価値に膨れ上がっています。7年で100万倍ということは当時1万円投資していれば今、100億円になっているということです。年末ジャンボで300円の宝くじで7億円当たれば230万倍ですが、「当たれば」という話と「買っていればだれでも確実に」儲けられたという話は別であります。

では2010年から価値が100万倍になる論理的証拠は何処にあるか、と言えばそんな説明誰もできません。上がるから、将来の新しい通貨となるから、新技術だから、海外に資金を持ち出しやすいから…という期待は多いのですが、実際の使い勝手はどうなのでしょうか?

むしろ、一部の貪欲な投機家があぶく銭を求めてドキドキして夜も眠れない、というギャンブル依存症から目覚めさせるには「潰してしまえ」という反対勢力も当然にしてあります。心理的不安要素を掻き立て、ビットコインの仕組みをほとんど理解していない99%の素人投機家を奈落底に落とし込むタイミングを虎視眈々と狙っているかもしれません。

その反対勢力とは誰でしょうか?一つは同じ投機家でも売りから入るヘッジファンドなどのプロ集団。もう一つは中央銀行であります。

ヘッジファンドは極めて論理的かつ、機械的にその作業を進めますが、現時点でビットコインが下げることで大きく儲ける手段はあまりありません。ところが早ければ今月にもビットコイン先物相場が立ち上がります。すでに米商品先物取引委員会がCMEグループとシカゴオプション取引所にビットコイン先物契約取引の承認を12月1日付で行っています。この意味合いをビットコインがよりグローバル化したという見方でそれをはやし、ビットコイン相場は上昇しています。

が、相場には「噂で買って事実で売る」という格言がある通り、上場まではお祭りになるのですが、その後、大崩落させるシナリオは十分にあり得るとみています。ご記憶にあると思いますが、かつてNTTが上場した時、国民の誰もが争ってその新株を手に入れようとしました。そしてしばし上昇し「やっぱりNTTはすごいわ」「お宅、買ったの?」「早くした方がいいわ。絶対儲かるから」と買い物かごをぶら下げた主婦の井戸端会議の中心的話題になったのもつかの間、それから大暴落となり、NTT株は塩漬け株の代表銘柄と化すわけです。この古臭い例を持ち出したのは言うまでもなくNTT株が「一大素人投資家祭り」となったという点において今のビットコインと共通するのであります。

もう一つは時価総額21兆円のビットコイン投資家の大半は個人投資家である点です。ご記憶にあると思いますが、中国で株価が暴落した際、その動きが一方的だったのは市場がほぼ個人投資家のみで成り立っているためボラティリティが高かったということです。ビットコイン相場が乱高下を繰り返すのはまさに微妙な個人心理だけで成り立っている砂上の楼閣だということであります。

ではもう一つの反対勢力、中央銀行はどう考えているのでしょうか?中央銀行ではないですが、フランスの金融市場庁長官が「危険な幻想」であり、犯罪に利用される恐れがあると警告しています(ブルームバーグより)。危険な幻想とはもちろん論理性のない価格決定の点を指摘しているのですが、政府や中央銀行はビットコインを扱いにくい敵とみなしている公算が高い気がします。

それは管理者がよくわからず、規制やペナルティをかけられないという問題点があろうかと思います。何故ならビットコインは何処の国にも所属していないため、誰がどうやって処罰するか、そのルールはありません。

次いで氏が指摘する犯罪への使用ですが、これはもともと言われていたビットコインの特徴そのものであります。いわゆるアングラマネーとなり、暴力団や反社会的勢力の資金源になりやすく、税の抜け道も非常に多くなっています。金融当局はその「抜け道ふさぎ」を考えると思いますが、穴だらけというより網目ぐらいスカスカで現時点で全然規制がないのも同然です。

もう一つは中央銀行の威信であります。政府保証の発行通貨として世界の中央銀行が連携し、一定のルールと制度とポリシーを共有し、健全な金融政策を実行し、世界経済が安定的成長を遂げる構築されたシステムをあざ笑うような仮想通貨の自由にはさせない、という意気込みでしょうか。

もちろん、中央銀行や政府は「新技術」に対するリスペクトは持っており、将来的にその技術を中央銀行としてどう取り込むか、そのあたりを研究しているのではないかと思います。

個人的には2018年年初が一つの攻防戦になる気がします。そろそろ2018年の10大びっくり予想を考え始めていますが、「ビットコインが主導する荒れる相場」が一つ上がってきそうな気がしています。

さてどうなることやら。

では今日はこのぐらいで。

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プロフィール

岡本裕明
岡本裕明

バンクーバーと東京で不動産事業を展開しています。カナダ在住25年、外から見る日本や世界の様子をブログを通じて8年間毎日欠かさず発信。ユニークな視点で経済、政治、社会、日本人論を攻めます。

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