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Amazonのレジ無しスーパーが引き起こす衝撃

2018.02.02 ピックアップ 外から見る日本、見られる日本人

アマゾンがシアトルにレジ無しスーパーをついに開店させました。画像を見ている限り、買い物客はアマゾンスーパーのアプリを事前にダウンロードし、アクティベートさせておけばあとは店内に入り、欲しいものを自分のカバンに詰め込み、そのまますっと店を出る、という仕組みです。これでは万引き犯人も真っ青です。

スーパーではここ数年、無人レジが増えてきました。自分でバーコードを介して清算し、袋詰めをして支払いをして帰る、というものです。私も初めのころは物珍しさもありそれをやっていたのですが、スーパーでは買うアイテムが多いと面倒だということに気が付きました。例えばカナダでは野菜は目方売りの上に商品コードのシールは貼っていないので画面から商品コードを探し出さねばなりません。あるいは何らかの拍子にレジ機能がフリーズして店員さんを呼ばねばならないこともしばしばです。

そんなこともあり、私は最近店員さんが普通に処理してくれるレジレーンに並ぶようになってしまいました。セルフレジはアイテム数が少ない場合は気にならないのですが、万能ではなかった気がします。

この話に頷いていただける方は「レジがどれぐらい面倒なものか」という認識を共有できる方だと思います。となれば、アマゾンの無人レジ店舗は驚愕的改革でありましょう。その上、店舗からすると万引きがほぼ防止できる仕組みが存在します。出口のところに店員が立っていてピーっとなれば不正が分かる仕組みがありますが、スーパーの商品にはそれがありません。つまり、ほぼ無防備状態であります。例えばセルフレジでピーっと音がしないで読み取っていない状態で袋に入れても支払いをしないで出てこれてしまうのです。

ところで最近、現金を扱わない店がぽつぽつ出てきました。レストランでも入り口に「現金お断り」と表示する店もあります。なぜか、といえば現金客のためにレジを置き、釣銭を確保し、閉店後、レジ締めを行い、売上金を銀行に持っていくという手間があるのです。ましてやレジ締めして数字が合わなければ数十円や数百円のために残業しなくてはいけないこともあるのです。非効率の極みです。

その点、カード決済やアップルペイなどのスマホ決済ならば記録が全部残り、間違えることはなく、すべての処理は事務所で完結されます。レジとはそれぐらい手間暇のかかる産物であり、現金は今後、その存在が煙たがられる時代が到来するのでしょう

アマゾンの無人スーパーはその現金を排除したという点においても画期的であります。今後、日本でも急速に無人スーパーが展開されることは目に見えています。その際、案外、セブンイレブンが困ったりすることはあり得ます。というのはセブンの場合、売り上げを店舗のATMに入れるという技を使い、セブン銀行の高収益の仕組みを作り上げてきたからです。

世の中、数多くのATMがありますが、あれは手間暇と安全コストという点で実に面倒な代物であります。非常に悪く言うなら昔のパチンコ屋で「おーい、球が出ないぞ!」というと台の後ろに店の人が行ってそのうち、じゃらじゃらと球が出てきたご記憶があるでしょう。それと同じでATMほどマニュアルチックに現金の補給を要求されるものはないのです。なぜならセブンイレブンのような例を別にすれば基本は出金一方だからです。

実はアマゾン無人スーパーがもたらす影響というのは銀行経営に一番影響があるのではないかと思います。基本はプラスの意味合いです。なぜなら銀行の現金扱い高が減れば画面上をお金が行き来するだけになりますから管理は極めてオートマチック化が進むからです。

私はこのブログを通じてしばしば近未来の変化について述べています。それは恐ろしいぐらいのスピードで起こりつつあるように感じます。今回の話ではアマゾンのアプリがダウンロードされたスマホがないと買い物できない=お金を持たない悪い奴や好ましくない人物を店の客から排除するという店側が客を選ぶというストーリーにもつながります。

おじいさんもおばあさんも今後はスマホ片手じゃないと買い物もできない、となるのでしょうか?ガラケーは化石と化すのでしょうか。

では今日はこのぐらいで。

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プロフィール

岡本裕明
岡本裕明

バンクーバーと東京で不動産事業を展開しています。カナダ在住25年、外から見る日本や世界の様子をブログを通じて8年間毎日欠かさず発信。ユニークな視点で経済、政治、社会、日本人論を攻めます。

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