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ニッポン産業は本当に安泰なのか?

2018.05.10 ピックアップ 外から見る日本、見られる日本人

かつて韓国は日本と中国に挟まれ、このままでは生き残れないという強い危機感を持っていました。技術的に何歩も前に行く日本、巨大な市場が育まれつつある中国。その中で人口5000万人の韓国は内需の限界という問題を抱え、自国が優位に立てる技術の確立や市場シェア確保に必死でありました。

李明博氏が大統領だったとき、「韓国747作戦」を導入します。2008年頃ですが、年7%の経済成長、一人当たりGDPを4万ドル、韓国の世界7大経済大国入りを目指すというものです。「経済大統領」としての異名があった李氏の経済政策だけをみれば個人的には悪くなかったのだろうと思います。

結果として韓国財閥系がかなり頑張ったことは確かで、中でもサムスンはGDPの2割を占めるほどにまで成長しました。日本はサムスンへの評価は冷たいと思いますが、客観的にみれば携帯から半導体メモリとシフトする中、電機業界のリーディングカンパニーに成長したことは否めません。つまり、韓国の危機感であった日本の技術に対抗し、市場についても中国を飛び越えて地球儀ベースでそのマーケットシェアを増やした点において成功であったわけです。

私が今、日本に危機感を抱いている一つは南北対話と平和条約の締結へ向けた交渉が進む朝鮮半島で経済交流が爆発的に進む可能性が高い点であります。北朝鮮の人口2500万が加わり、朝鮮半島7500万人の新経済圏という見直しが必要になります。しかも北朝鮮はインフラを含め、ほぼゼロスタートとなりますので初期の成長率は驚異的なものになることは自明の理で、その多くを韓国企業がリードする可能性は高いとみています。理由は言語と文化が近いことで入り込みやすいからです。

一方の日本。現在1億2000万人の人口はありますが、高齢化が急速に進みます。労働力人口は2016年で6600万人で人口の60%弱程度ですが2065年には4000万人まで下がります。言い換えれば2065年には労働力は今の人口の1/3に減少するのです。十数年前の韓国が悩んだその問題は日本に振りかかってきます。

ところで日経に「『ニッポンの革新力』の一環で20~40代の研究者141人を対象に実施したアンケートで、8割が日本の科学技術の競争力が低下したと回答した」とあります。私は日本の知的能力、研究心、ひたむきさがかつてとはかなり違うように感じています。理由は「人生目標がない」のだろうと思います。

親が適度に金を持っていて、住むところも最悪でも実家があり、給与は全部好き勝手に使って仕事はなるべく責任がない部署で汗をかかない、という価値観の若者が増えていませんか?そうだとすれば日本はとんでもなく時代に逆行しています。つまり、成熟化ではなく退化です。

もちろん、そう思いたくはないのですが、私は相当の危機感を持っています。日本が向かうところ、若者が目指すもの、民主的という名を借りた社会主義的思想の蔓延を考えると、目先の5年、10年はこなせても20年後30年後は日本企業は自立できなくなるかもしれない可能性は決して脅し文句ではないとみています。

我々の考え方のスイッチを切り替えた方がいいのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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プロフィール

岡本裕明
岡本裕明

バンクーバーと東京で不動産事業を展開しています。カナダ在住25年、外から見る日本や世界の様子をブログを通じて8年間毎日欠かさず発信。ユニークな視点で経済、政治、社会、日本人論を攻めます。

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