ピックアップブログ記事

「定年」なんて古臭い!

2018.07.25 ピックアップ 外から見る日本、見られる日本人

「定年」という音の響きはかつてなら「ご苦労様でした」というところでしょうけれど、今の時代、次はどこで仕事しようか、という不安感の方が大きいのではないでしょうか?

定年に到達したところで仕事人生への「全う感」が漂ったのは終身雇用制度が普通であった日本の雇用形態に負うところも大きかったでしょう。何しろ一つの会社に40年程度捧げるわけです。まさに婚姻状態と同じといってよいでしょう。それともう一つは定年時の平均余命が今ほど長くはなかったこともあります。つまり、定年退職した後、だいたい10-15年ほど老後生活をゆったり楽しみ、永眠されるというシナリオがありました。

ところが中途採用がポピュラーになり始め、今の50代ぐらい方は一度や二度、勤め先が変わった方は結構多いはずです。ちなみにリクルートの調査では50代の転職経験者は66%、40代で62%など、えっと思うほど転職は普通になってきているのです。つまり、忠誠尽くして双六の「あがり」という感覚が生まれにくくなってきているのではないでしょうか?

次にフィナンシャルプランナーなどが言う「老後、いくら貯金がないとだめか」という人々を不安にさせるあの一言に「おちおち、老後生活を楽しむどころではない」であります。総務省が発表する老後の夫婦二人の生活費は月、約25万円だそうです。その内訳なるものをみると皆がみんな、そんなに使わないだろう、と思われるアイテムはずいぶん入っています。食費66千円、交通通信31千円、水道光熱費19千円、教養娯楽24千円、小遣いなど45千円などとなっています。一つひとつをみると個人差でうちは使う、うちは使わないという差が生じるはずですべての老夫婦の家庭が均等にそんなに使うわけではないとみています。

言い換えれば国民年金やそれを未納にして年金ももらえず、カツカツの生活をしている人もいる中で25万円も必要というのは手厚い厚生年金や厚生年金基金ががあるサラリーマン卒業の方から自営業まで一緒くたにしているようなものです。

いや、むしろ、自営業には定年がないため、自営が成り立っている人はずっと働いている方もいらっしゃいますし、勤めに出る抵抗感も割と小さい気がします。また、地方の農家をみると農作業の繁忙期にはシルバーさんが集まりやすいのはそれが当たり前でそれこそ足腰が元気なうちは一生、労働者という意識があるのだろうと思います。また農作業をするシルバーさんはお金が欲しいというより農作業は皆でやるもの、というマインドが代々引き継がれている点が大きいのだろうと思います。

となると案外身の振り方が難しいのがサラリーマン氏の定年後なのでしょう。嘱託で一年更改の契約をする方でもせいぜい65歳ぐらいまで。そこから先は自転車置き場の係や工事現場の警備員といった職種になってしまいます。その共通点は軽い仕事、それと今まで培ったノウハウが全然生かされないということでしょうか?

まぁ、それでも仕事をすると病気になって医者にかかる費用は無職の人の半分ぐらいになるそうです。つまり、家でフラフラしているのが一番不健康なのかもしれません。人は気を張って一生懸命生きていくことでカラダがしっかりしてくるもの。定年なんて古臭い、と思いたいものです。

ちなみにお前は何歳まで働く気か、と言われたら「死ぬ当日まで」と申し上げておきます。聖路加病院で死ぬまで働き続けた日野原重明さんのようなスタイルを目指したいですね。

では今日はこのぐらいで。

ご感想はこちら

プロフィール

岡本裕明
岡本裕明

バンクーバーと東京で不動産事業を展開しています。カナダ在住25年、外から見る日本や世界の様子をブログを通じて8年間毎日欠かさず発信。ユニークな視点で経済、政治、社会、日本人論を攻めます。

ピックアップブログ推薦 出版をご希望の方へ

公式連載