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サマータイム是非

2018.08.09 ピックアップ 外から見る日本、見られる日本人

今さらサマータイムの議論が出てくるとは思ってもいませんでしたが伏兵、森喜朗氏が五輪組織委員長として安倍首相に提言、検討が再度始まるとのことです。

その背景は何か、といえば暑すぎる日本のオリンピック開催期間のリスクであります。確かに今年の北半球の高熱ぶりは尋常ではなく、カリフォルニアの史上最悪の山火事、ポルトガルやスペインの45度越え、更にはカナダケベック州で高温による多数の死者というニュースもありました。

ただ、この高温とサマータイムは全く関連性のない話で、また森さんが何か頓珍漢なことを言っているという感じがしないでもありません。

もともとのサマータイムの発想とは1784年にベンジャミンフランクリンが太陽の光を利用しようと考えたアイディアです。つまり暑さしのぎではなく、太陽を一杯取り込もうという発想であります。もしも森会長が暑さしのぎでお考えになっているのならば全く筋違いということになります。

もう一つはサマータイムを導入している国の多くは高緯度の国であります。それは冬が短く、どんよりしたり雨季/厳冬期になるのに対して夏は夜遅くまで明るく白夜に近いほどずっと明るいという生活を送る人たちにとって夏の太陽は「恵み」なのであります。その為に少しでも多くの太陽を取り込むために早く起きて活動しよう、という発想であります。

例えばバンクーバーも樺太の真ん中ぐらいの緯度ですので夏至のころは朝4時ぐらいから夜10時ぐらいまで明るいわけです。こうなると朝も5時半ぐらいになると目が覚めてしまい、寝ているのがもったいないという気になるものです。つまり、サマータイムは生活の中で生まれた智恵だと思います。

では日本。基本的に日本人は夜型が多く、朝型ではない気がします。暑いから余計に夜型になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?次に夏のバンクーバーでは皆、太陽を肌に一杯浴びようと必死です。(非合理的ですが、日焼け止めを塗りながら太陽を浴びるのですね。)日本人は黒い日傘に手袋です。三つ目に「早起きは何の得にもならない」と考えている方が多いのです。なぜならば、早く会社に行けば長く働かせられるし、ノー残業の会社ならこんなに明るいうちからどうしろというのだ、という恨み節が聞こえてきそうになるのです。

オリンピックの為にサマータイム導入検討だとしたら本末転倒。それはオリンピック組織委員会としてマラソンは7時ではなく、5時からやればいいじゃないですか、という話です。アメリカの放送局は時差の関係で喜びます。暑い日中の屋外競技を夜なりにずらせばいいわけでサマータイムにしても何も変わらないはずです。

但し、私も何が何でもサマータイムを否定するというわけではなく、やるなら日本人の生活パタンの根本的改革という意味合いでやるべきであって2年間の時限実験のようなことは止めて頂きたいと思います。

ちなみに菅官房長官は全然乗り気ではないような発言をなさっています。コンピューターなどのプログラム変更が求められるのは確かにそうですが、それはすでに他の国で出来上がっているシステムを日本に導入するだけですからそれほど面倒ではないと思います。

個人的には降ってわいたようなこのサマータイム議論、きっと何もなかったがごとく、終わってしまう気がします。

では今日はこのぐらいで。

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プロフィール

岡本裕明
岡本裕明

バンクーバーと東京で不動産事業を展開しています。カナダ在住25年、外から見る日本や世界の様子をブログを通じて8年間毎日欠かさず発信。ユニークな視点で経済、政治、社会、日本人論を攻めます。

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