第100回夏の甲子園始球式は松井秀喜氏か

2018.06.13 WEDGE Infinity

 今年で第100回を迎える夏の高校野球選手権、記念の大会とあって全国各地の予選から豪華な顔ぶれが始球式を務めることになっている。黒田博樹氏、原辰徳氏、山本昌広氏と各地域にゆかりのある元プロ野球の名選手が並ぶ中、"大トリ"の甲子園では誰が始球式を行うのか。プロ野球関係者の間では、早くも松井秀喜氏の名前が取り沙汰されている。

松井秀喜氏(Photo by G. N. Lowrance/Getty Images)

 上宮高校(大阪)出身の黒田氏が始球式を務めるのは、南北に分けられた地域から2校が甲子園に出場する大阪大会(7月7日開幕)だ。高校時代の黒田氏は控え投手で、甲子園には出場していないが、専修大学からプロに進み、日本の広島カープとメジャーリーグを股にかけて活躍。2015年から広島に復帰し、16年の25年ぶりの優勝に貢献した"男気"の勇姿は、球児たちにとっても一生の思い出になることだろう。

 神奈川大会(7月8日開幕)の始球式には、ともにレジェンド級の打者と投手が揃い踏みする。日大藤沢高校出身で元中日の山本昌氏がマウンドに上がり、東海大相模高校出身で元巨人の主砲、監督だった原氏が打席に立つのだ。とくに原氏は、母校の監督だった父・貢さんとともに甲子園に出場し、"親子鷹"として当時のファンを沸かせた。第100回の記念大会にふさわしい人選と言える。

 山本昌氏と同じ中日OBでは、大リーグでもプレーした川上憲伸氏が徳島大会(7月7日開幕)の始球式を務める。川上氏は徳島商業高校出身で、在学中は4番兼エースの"二刀流"で活躍した。第75回甲子園大会(1993年)では準々決勝まで進出している。

 青森大会(7月9日開幕)の始球式を行う太田幸司氏の登板も、オールドファンにとっては楽しみなイベントだ。太田氏は三沢高校のエースとして活躍し、第51回大会(1969年)の決勝戦でエース井上明氏(のちに朝日新聞記者)を擁する松山商業高校(愛媛)と対戦。両投手ともに延長18回をひとりで投げ抜いて0-0で引き分けると、翌日の再試合もまた互いにひとりで投げ通し、2-4で太田氏が涙を呑んだ。現代の甲子園で同じことが行われたら猛烈な批判を浴びるだろうが、ここはうるさいことを言わず、歴史の生き証人の投球を温かく見守りたいものだ。

 そうした錚々たる顔ぶれが並ぶ中、独特の人選と趣向で目を引くのが長野大会(7月7日開幕)である。この大会の始球式ではないが、関連行事として松本市野球場で行われる招待試合(6月16日)で、戦後初の三冠王、元巨人・中島治康さんのひ孫、小学4年生の海斗くんが始球式を務めるのだ。

 中島さんは松本商業高校(いまの松商学園)出身で、第14回大会(1928年)で長野県勢として史上唯一の全国制覇したときのエースだった。こういう歴史を感じさせるイベントも高校野球ならではだろう。

 それでは、肝心要の本番、8月5日から甲子園で開幕する第100回記念大会で始球式を務めるのは誰なのか。主催者の朝日新聞社や日本高校野球連盟からは発表されていないが、大会まで2カ月を切っている現在、すでに候補者への打診は行われているはず。それも黒田氏、原氏、山本昌氏、太田氏らのあとの"大トリ"だから、当然、誰もが納得する人物でなければならない。

 となると、すぐにソフトバンク球団会長・王貞治氏が思い浮かぶ。早稲田実業学校時代にはエース兼中軸打者として活躍し、1年生だった第38回大会(1956年)から4季連続で甲子園に出場、2年生だった第29回春の選抜(1957年)で優勝投手となった。夏の第39回大会でノーヒットノーランを達成しており、実績も品格も申し分ない。