台湾統一 中国は本気 だから日本よ、目を覚ませ! 押し寄せる中国の脅威 危機は海からやってくる

2021.06.01 WEDGE Infinity
米カリフォルニア、キャンプ・ペンドルトンでの日米共同演習の様子(2019年) (U.S MARINE CORPS/ZUMA PRESS/AFLO)

 もしも富士山が鳴動し、地震を起こし、水蒸気を噴き上げているとしたら、日本の国民も政府も危機感を抱き、噴火に備えて対策を講じるだろう。

 日本は今、国の周辺でも同じくらい深刻な脅威に直面しているが、国民が特に心配している様子はない。永田町と霞が関がわずかながら懸念しているだけのようだ。

 脅威の震源地は「北京」であり、すでにその初期微動も感じられる。

 中国共産党は、慎み深さとは無縁だ。「欲しいものを欲しい」と公然と言い放ち、それを手に入れるために行動する。その中には南シナ海、南西諸島、台湾が含まれている。支配力を確立するための中国の行動は拡大・加速をし、これまでのところかなりの成功を収めている。

 南シナ海を例にとると、中国政府はそのほぼ全域について領有権を主張し、人工島を造成し、軍事基地化するなど、組織的な防衛体制を構築した。いまや中国海軍、海警、海上民兵を常時展開している。このままでは、日本の交易、エネルギー輸送のためほとんどの船舶が通過する戦略的な海上交通路(シーレーン)を中国政府が事実上支配することになりかねない。

 尖閣諸島周辺における中国による圧力と侵入行為は、筆者の知る関係者が非公式に認めているように、海上保安庁や自衛隊を「圧倒」しかねない状況にある。そして中国にとって尖閣諸島は、南西諸島全体を手に入れる前の「前菜」にすぎないことを忘れてはならない。中国が南シナ海と尖閣諸島の双方、または片方だけでも支配するようになれば、日本にとってきわめて深刻な事態となるだろう。

6年以内に中国は動く
米軍が阻止できないケースも

 しかし、日本に迫りつつあるより大きな危機は、中国による台湾の支配だ。見識ある自衛隊幹部は長年「台湾の防衛は日本の防衛だ」と主張してきた。その理由を知りたければ、台湾が中国の支配下に置かれた場合に何が起こるかを考えてみればよい。

 それは現在、中国を封じ込めている「第一列島線」を突破されることを意味し、中国人民解放軍(PLA)が、沖縄の米軍基地も含め、南西諸島における日本の防衛体制を側面から突破することになる。そして、中国の艦船、潜水艦、航空機が日本の西方、南方、東方で(ロシアが黙認すれば北方でも)日常的に活動することになる。日本はちょうど(終戦前の)1945年のように、事実上、国を包囲される。

 PLAは台湾の基地を使用し、太平洋に自由にアクセスし、日本の海外との海上・航空輸送を制限し、さらには止めることさえもできる。また日本を東アジアから孤立させる。それは日本がインド洋とペルシャ湾に直接アクセスできなくなることを意味する。

 同様に、米国の防衛にとっても台湾はきわめて重要だ。台湾の自由を守ることができなければ、米国の威信は失墜し、アジアにおける大国としての米国の時代は終わるだろう。おそらく日本と豪州を除くアジアのほとんどの国は、可能なかぎり最良の取引をしようと中国に殺到し、米国から離れていく。そうなれば日本と豪州にも迷いが生じるだろう。南シナ海は永遠に失われ、南西諸島すべてではないにしても、おそらく尖閣諸島は失われる。

 それではここから、読者のいくつかの疑問に答えよう。

 中国は本当に本気なのだろうか?

── 本気だ。彼らは戦わずして台湾を統一するのが望ましいと考えているが、政治戦で統一できないのであれば、間違いなく軍事力に訴えるだろう。PLAはまさに台湾に全面攻撃を仕掛けるために装備し、訓練も実施している。