阪神「史上最速」優勝にクライマックスシリーズは必要なのか?またもメジャーに客が奪われる!魅力的な日本シリーズへ不可欠なルール変更

2025.09.10 Wedge ONLINE

 プロ野球のセ・リーグは、阪神タイガースが2年ぶりにペナントレースを制した。

 優勝を決めた9月7日時点で、78勝45敗3分けと圧倒的な強さを見せつけ、2位巨人とは17ゲーム差。2リーグに分立した1950年以降、これまでのリーグ優勝の最速は90年の巨人の9月8日だったので、これを更新する史上最速でのリーグ優勝だった。

阪神タイガースが圧倒的な強さでリーグ優勝を決めた(産経新聞社)

 圧倒的な強さによって議論が再燃しそうなのが、プレーオフのクライマックスシリーズ(CS)開催の是非だ。リーグ優勝とは分けて、日本シリーズ進出チームを決めるCSは、昨季のDeNAベイスターズが3位からの“下剋上”で日本一を勝ち取ったことも記憶に新しい。

 しかし、2位以下が勝率5割を切っている今季のセ・リーグでも、野球ファンはCSを望むのか。阪神の優勝は、レギュラーシーズンで大差が付いた場合のCSの在り方に一石を投じることになるだろう。(※数字や順位はいずれも、阪神の優勝決定時)

「143試合のペナントレースのチャンピオン」

 45歳の若き指揮官、藤川球児監督が甲子園で宙に舞った。チーム得点数「437」はリーグ最多で、失点数「296」はリーグ最少。まさに「攻守」に力の差を見せつけたてのリーグ制覇で、球団創設90周年の節目に花を添えた。

 優勝を決めた9月7日時点でのチーム勝率は.637。2位の巨人以下の5チームは全て勝率5割を切っていた。阪神が貯金33を独占した「1強5弱」の軌跡を振り返り、藤川監督は優勝インタビューでこう胸を張った。

 「143試合はペナントレースという競技で、ペナントを取る、その1チームだけがチャンピオンですから、我々がリーグチャンピオンです。なので、この後のファイナルステージ、クライマックスシリーズというのは私たちにとっては別のステージになります。このリーグチャンピオンというのは絶対消えないので、これを胸に、また別のゲームをみんなで戦っていきます」

 指揮官の言葉に2つの大事なキーワードが込められていた。「143試合のペナントレース」と「別のゲーム」だ。

 ペナントレースの優勝チームは記録として残り、CSはあくまで日本シリーズに進出するチームを決める戦いである。指揮官の言葉を借りれば「別のゲーム」となる。

 現行ルールでは、2位と3位のチームがまずCSファーストステージ(3戦制)で戦い、勝者が優勝チームと日本シリーズ進出をかけてCSファイナルステージ(最大6試合制で4戦先勝)を戦う。

 2007年からセ・パで同時導入(04~06年はパのみがプレーオフを実施)され、08年からは、シーズン優勝チームにアドバンテージ1勝が付与されるようになっている。このほか、いずれのステージもリーグ上位チームのホームで戦うことも有利な要因とされる。

ビジネス面ではメリットも

 藤川監督が「別のゲーム」と評するように、長丁場のペナントレースは、現有戦力を駆使していかに好不調の波を抑えて戦うことができるかという「総合力」で争うのに対し、CSは「短期決戦」での勝負となる。

 CSは過去、コロナ渦の20年を除いて16度実施され、セ、パともにシーズン優勝チームが13度、日本シリーズへ進出している。優勝チームが日本シリーズへ進出する確率は8割以上だ。

 この数字を高いとみるか、低いとみるか。パは優勝チーム以外から勝ち上がった10年のロッテ、18、19年のソフトバンクが全てで日本一に輝いた。セも昨季、初めてDeNAが日本一へと駆け上がった。

 CSの導入は、興行面と深く関係する。今季の阪神のように首位が独走した場合、他球団のファンは球場から足が遠のきやすい。しかし、3位までに日本シリーズ進出の可能性があることで、3位までに食い込める可能性のあるチームのファンは、「CS争い」によってシーズン終盤まで盛り上がることができる。

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