人間関係とチームの成果を両方とも高める方法

2017.02.07 公式 mybookfactory
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チーム力はスキル・マインド・メンバー人数で変わる

仕事において、居心地のよいチームで成果も出れば最高なことです。しかし、つい仲良しクラブのような雰囲気になってしまい仕事が甘くなったり、逆にメンバーに厳しい要求をしすぎて疲弊させてしまったりと、両軸がなかなかうまく機能しないと頭を悩ませているリーダーは多いことでしょう。

では、チームの人間関係と成果を両立させるためには、どうしたらよいのでしょうか。実はこの2つの要素は密接な関係にあり、リーダーがメンバーに対して明確な目標を示し、そのために何が必要とされるのかをメンバーと共有することで、必然的にメンバー間の人間関係もよくなり、ひいては成果もあがるようになるのです。

これについて、元JALのトップCAで、皇室チャーターフライトの選抜メンバーでもあった七條千恵美さんは、著書『ザ・チームワーク』の中で具体的に記しています。メンバーの人間関係とチームの成果が同時によくなる方法、すなわち「チームワークの質を高める方法」について、自身の経験を元に実例をいくつも紹介しているので、何とかしてチームの目標を達成させたいと考えているリーダーにとっては多くのヒントが得られるはずです。

チームでの仕事において、その総力が発揮されるのは、各個人が持っているスキル(仕事の腕)とマインド(意欲)が前提となります。スキルがよくてもマインド(意欲)が乏しければチーム力は存分に発揮できませんし、逆に新入社員のようにスキルは最低レベルしかなくても、やる気だけは満々でマインドが高ければ、チームは大きな力を発揮することが可能になります。このように、チーム全体の総力とは「スキル・マインド・メンバーの人数」に大きく関係してくるのです。

スキルをあげるには経験やトレーニングが必要、つまりスキルアップには一定の時間がかかります。一方、マインドはひとつのきっかけや周囲のひと言で瞬間的に大きく変化します。一流のリーダーは、経験とトレーニングを必要とするメンバーのスキルの向上については計画的に施策を実行しつつ、メンバーのマインドについては、常に高いレベルを維持するよう注意を怠りません。なぜなら、チームの総力をあげて大きな成果を出そうとするのであれば、何よりもメンバーのマインドを高めることが第一だからです。

メンバーのマインドに大きな影響を与える要因は、チーム内の人間関係、仕事のやりがい、使命感、達成感、そして仕事に対する誇りです。これらの要因を整えることが、チームの成果をあげて目標を達成するために必要な条件。すなわちこれが、メンバーのマインドを高めるために、リーダーが具体的かつ優先的にやるべきことと言えます。

リーダーは目的と達成方法をメンバーに示す

チームのメンバーの力を結集するには、メンバー全員が目指す目標の方向性が一致していなければなりません。では、どうすればメンバーの方向性は一致するのでしょうか。今年の目標、四半期の目標を確認することは大事です。しかし、それはややもすると魂のこもらない形だけの儀式に終わってしまうことがあります。魂のこもっていない目標では、メンバーのマインドを高めることはできません。したがって、目先の目標だけしか伝えられないリーダーは、一流とはいえないのです。

一流のリーダーとは、目先の目標のその先にある理想、夢の方向性を明確に語ることができる人です。我々の会社は、どういう会社を目指しているのか、会社の理想の姿を語り、そのためにチームは何をするのか、目先の目標は、その先にある明確な夢や理想を実現するうえでどんな役割を持っているのか、それらを情熱を持って語れる人、すなわちメンバーの心に火を点すことができる人が一流のリーダーといえるのです。

漠然と夢を語るだけのリーダーは頼りないですが、逆に夢のないリーダーも魅力がありません。大きな理想や夢、使命感にチームのメンバーが共感し、それらを全員が共有していれば、自ずと各自の短期の目標の役割と意味がわかってきます。何のための短期的な目標であるかが分かれば、いつまでに何をするかという中・長期的な目標の中身についても納得できます。こうしたステップを踏めば、特にリーダーが声を枯らして「方向性を合わせよう!」と声を発せずとも、次第に全員のベクトルは合ってくるものです。

リーダーとは、明確な夢を持ってその夢を実現する努力を具体的に実施する人です。夢を実現するために肝心なことは、夢に日付をつけてスケジュール化すること。夢を実現するために、いつまでに何がどうなっていなくてはいけないのか、そのためには何をどれだけやらなければならないのか、そうした管理をすることで、段階的な達成目標とスケジュールが明確になり、夢は現実的な目標となるのです。

チームの目指す方向性が決まれば、メンバーに求める資質も定まってきます。みんなが助け合って成果を出すチーム、楽しく仕事ができるチームを目指すならば、メンバーの資質には、チームに貢献することに喜びを感じる、もたれあいではなく「お互いさま」を基本姿勢にする、他責人間ではなく自責人間であることなどが求められます。

基本動作であれば、そのための訓練も徹底しなければなりませんし、必要条件であるなら、採用の段階で審査すべき項目となるでしょう。なぜならそれが、チームが成果をあげるための人材の条件となるからです。我々のチームが求める人材とはこういう人だと、チームが求める人材像を明らかにし、そのために必要な施策を実行する。こうした行動を積み重なることで、メンバー全員が目標にコミットし、それぞれの役割を果たす「助け合いの集団」というチームの風土が生まれてくるのです。