「最強の睡眠」のためのシンプルな3つの極意

極意1:「時間」ではなく「質」にこだわろう

それではここから、最強の「睡眠」の3大極意を見ていこう。

まず気になるのが、理想の睡眠時間は何時間かということではなかろうか。それとも、必要な睡眠時間は人それぞれなのだろうか。

よく、睡眠は7時間とることが理想とはいわれますが、体質、つまり遺伝子によって、個々の顔や体型、性格が異なるように、必要な睡眠時間も異なります。程度には個人差があるものの、歳をとるにつれて睡眠時間が少なくなるというのは共通した傾向です。脳の発達段階にある子どもは、それだけ多く神経回路の組み換えをする必要があり、大人よりたくさん眠る必要がありますが、ある程度、成長し、脳が発達しきるにつれて、その必要はどんどん低下していき、睡眠も短くてよくなっていくのです」

とはいえ、脳をしっかりメンテナンスするには、睡眠時間の長短にかかわらず、やはり質のよい、十分な睡眠が不可欠なのだ。平日は睡眠不足気味だから、休日にたっぷり眠って、平日の睡眠不足を補う。こんな習慣をもっている人もいるかもしれないが、それは適切な睡眠法ではないという。

「理想は、やはり毎晩、十分な睡眠を確保することです。睡眠が足りないことを『睡眠負債』と呼びますが、まず、その負債がゼロになるような質と量の睡眠をとることです。この『睡眠負債』を後でまとめて返そう、などというやり方はよくありません。週末の長時間睡眠によって就寝時刻や起床時刻が変わると、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという自然な睡眠リズムが乱れてしまいます。すると、睡眠リズムをコントロールしている『体内時計』が乱れ、睡眠の質が下がり、疲れがとれないのです」

多忙な日々を送るビジネスパーソンは、平日の寝不足を休日にまとめて返済しようとしてしまいがちである。くれぐれも、規則正しい睡眠の確保を日頃から心がけたいものである。

極意2:日中にしっかり日光を浴びよう

櫻井氏は「人の体は、朝、日光を浴びることで、夜にちゃんと眠くなるように体内時計が整えられます」と話したうえでこう続ける。

私たちの体は、夜に強い光を浴びるようには作られていません。それなのに、夜も明かりをともし、寝る直前までスマホなどの強い光(ブルーライト)を浴びている。これは好ましくありません」

出展:『最強の健康法 ベスト・パフォーマンス編』

1日のどのタイミングで光を浴びるかが、睡眠の質を高めるキーポイントということである。朝に光を浴びれば、夜にはちゃんと眠くなる。ということは、私たちの体は、朝から時間がたつにつれて、眠くなっていくようにできているのだろうか。

「朝に覚醒し、夜に眠くなるのが正常な生体リズムですが、徐々に眠くなるわけではありません。日中で最も覚醒度が高いのは、実は寝る3時間くらい前なのです。昼食を食べた直後に眠くなる人は多いと思いますが、夕食の直後って、大して眠くならないと思いませんか?

寝る前の時間帯は、「睡眠禁止帯」と呼ばれているという。たとえば「明日早いから、早めに寝よう」と思って寝床に入ったのに、なかなか寝つけなかった、という経験はないだろうか。これも、無理やり寝ようとしている時間帯が「睡眠禁止帯」だからなのだ。

重要なのは自然な睡眠サイクルで眠れるよう、朝に自然な日光を浴び、夜寝る前に不自然なブルーライトを浴びないよう、気を付けることなのである。

極意3:気合を入れて寝てはいけない

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なお、健康器具売り場に行くと、様々な「快眠グッズ」も多く見かける。それだけ現代人にとって「よく眠りたい」というのは大きな課題なのだろうが、櫻井氏から見ると、快眠グッズの効果のほどはどうなのだろうか。

この質問に対し、まず櫻井氏は「そもそも睡眠にこだわる人ほど、睡眠に問題を抱えやすい」と指摘する。睡眠にこだわり、「よし!今日こそ、よく寝てやろう」と意識すればするほど、眠れなくなってしまうのだ。そういう人が、快眠グッズに走るのだろう。

ただし、櫻井氏はそれを一概に否定してはいない。

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快眠グッズは、効果があるという科学的根拠には乏しいものが多いと思いますが、効果は個々の感覚で判断すればいいと思います。『これを使うとよく眠れる気がする』というグッズがあるのなら、それはそれでけっこうなことですね。『眠れないのではないか』という不安にかられれば、やはり眠れなくなってしまいます。そういう意味では、おまじない的な効果、プラシーボ効果としての安心感をもたらすものとして、快眠グッズを利用するのもいいでしょう

科学的根拠はなくても、信じることで安眠できる。「信じる者は報われる」ではないが「信じる者はよく眠れる」のである。

(文=ムーギー・キム:『最強の働き方』『一流の育て方』著者)

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