「大型顧客」に左右される浮かれ企業の末路

企業が生き残るために知っておくべき、クライアントとの付き合い方とは?(写真:AH86/iStock)

先進国不況により、今後経済的に低迷してくことが避けられないかもしれない日本。そんな中で、個人の幸せを追求しながら、「無双状態」で働くには、どうすればいいのでしょうか。ひろゆき氏の著書『働き方完全無双』から抜粋して紹介します。

業績のいい会社には、人が勝手に集まってくるものです。たとえば、スマホ向けゲームが大当たりした会社が、ここ数年たくさん生まれたと思います。きっと何社か思いつくでしょう。

それらのどの会社も、うまくいくことに比例して、運営コストも上がっていきました。運営コストは右肩上がりでも、売り上げがずっと上がり続けるとは限りません。コストが上がったまま売り上げが苦しくなると、売り上げがよかったとき以前より苦しくなるのです。経営者には、それを想定しておく責任があります。

日本では一度雇うと解雇できない

とはいえ、「売り上げが伸びてもランニングコストを上げない会社」というのも見たことがありません。売り上げが増えれば、ほとんどの会社はいいオフィスに引っ越して、内装を凝ったりし始めます。会社の規模が大きければ、テレビCMを打ったりスポンサーになることもあるでしょう。何かしておかなければ落ち着かなくなるんですよね。

確かに、売り上げが上がってその分を税金で持っていかれるのは癪(しゃく)ですから、あまったおカネを使っちゃうのも無理はありません。それに、勢いがある会社は、人材を雇えば雇うほど、しばらくは売り上げが伸びます。大ヒット商品がある場合、営業の人数を2倍にすれば、単純に売り上げが2倍になりますからね。

人づてに優秀な人が「入りたい!」と言ってくることも増えますし、人を雇わないことが機会損失になるわけですから、その流れに抗うことは相当な覚悟がいることであって、非常に難しいことです。

でも、日本では一度雇った人は、法律上、なかなか辞めさせることはできません。ヒット商品の波が終わっても、2倍に増やした営業部員は残ってしまいます。

企業ができることは、「波がいつ下がるのかを仮説的に見極めておく」ということと、その波が割と短期的に収まりそうであれば、「なるべくアウトソーシングすること」の2点です。うまく頼めば外でやってくれそうな仕事は、なるべく外注で投げるようにしましょう。

また、成長している企業というのは、危険と隣り合わせにいます。報酬をたくさんくれる「大きいクライアントの存在」には気をつけなくてはいけません。

「毎日必ず100円くれるクライアント」の重要性

たとえば、毎日必ず100円をくれる人と、たまに1万円をくれる人がいた場合、1万円をくれる人のほうを大事に扱ってしまいがちです。1万円を連続でくれたりなどしたら、100円をくれる人のことなんて疎かになって、しまいには付き合いが面倒になって関係を切ってしまうこともあるでしょう。

けれど、事業をやる場合、「毎日必ず100円をくれる人」のほうを大事に扱わなくてはいけません。

僕の知り合いの経営者は、大金をくれるクライアントとは、あえて仕事をしないと決めています。なぜなら、そちらに時間を取られ、いざそのクライアントとの付き合いが終わってしまえば、一気に会社が傾いてしまうからです。つまり、依存することがわかっているし、長期的にどんどん下請けのようになってしまうことが見えているから、「じゃあ、初めから付き合わない」という選択を取っているんですよね。

確かに、大口のクライアントは、すぐに偉そうになります。「小さい会社のほうを大事にしろ」と言われても、普通の人間にはなかなか難しい判断だと思いますが、長い目で見れば、非常に賢い戦略です。