味の素「希望退職者募集」で考える会社員の行方

本人にフィードバックすると、仕事的にはそれなりにこなせるが、ストレスを抱えていた、適職でないのに我慢して長く仕事をしていた……と、現在の仕事が適職でないと感じている、そのことを思い出したと回答してくれたりします。

これまでやってきた仕事の延長線というだけで、今後の選択肢を考えるのはもったいないと感じます。もっとストレスがない仕事があるかも、別の適職が見つかるかもと模索してみて、そのうえで会社にしがみつくという選択に戻ってもいい気がします。

違う職種への転職だとつらくなる?

ちなみに年齢が高くなるにつれ、転職するにあたって、職種を転換する度合いは大きくなっています。コンサルティング中にお会いした再就職活動中のSさんは、事務職の経験しかなかったのですが、提示された職種は事務職以外の仕事ばかり。できない、無理、やりたくないとネガティブ思考になりかけましたが、生活のこともあり「あえて選ぶなら」と消極的に決めた職場に再就職。

ところが想定以上にやりがいを感じて、今では「この仕事こそ適職かも」と言い切るくらい。

Sさんに限ったことではなく、まったく異なる仕事に移ったシニアに、現在の業務への満足度を聞くと、不満と感じている人は想像ほど多くはありません。

できるかぎり条件を広げて適職を探し、再就職をしてみると「意外に居心地がいい」というケースが少なくないことを踏まえておくことは大事かもしれません。

70歳ぐらいまで働く時代になろうとしています。1つの会社でキャリア人生を貫くことに固執することなく、長く働くためにも、機会を広げる準備をして、有意義なキャリアを描いていきたいものです。

(文=高城 幸司:株式会社セレブレイン社長)