「脱サラ」で失敗する40代・成功する40代の差

脱サラで失敗する人、成功する人のちがいとは?(写真:プラナ/PIXTA)

先日、会社員の小泉さん(40代、仮名)から、コンサルタントとして独立開業したいという人生相談を受けました。

「コロナショックのこの時期に独立開業する酔狂な人なんていないでしょ」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。3月以降、8人から相談がありました。

今回は、小泉さんの相談をもとに「今どきの独立開業事情」について紹介します。

独立に「向く人」「向かない人」の違い

小泉さんは、金融機関に勤めており、数年前に中小企業診断士を取得しています。まずメールで以下の相談をもらいました。

「この夏にコンサルタントとして独立開業することを目指して準備を進めてきました。しかし、今回の新型コロナウイルスで、もう1~2年待ったほうがよいのか、そもそもプロコン(独立コンサルタント)の夢を諦めたようがよいのか、迷っています」

私に相談を寄せる独立開業希望者には、2種類あります。すでに独立開業を決定している方と、小泉さんのように迷っている方です。前者には、独立開業後の顧客開拓や業務の進め方など具体的にアドバイスします(ちなみに商売ではないので、相談は無料で行っています)。

しかし、後者には「迷っているなら、止めたほうがいいですよ」とお答えし、それ以上の相談はお断りしています。プロコンとして食べていくのは容易なことではなく、失敗しても私としては責任を取れないからです。また、厳しい言い方になりますが、自分のことを自分で決められないコンサルタントにお客さんから相談が来るとは思えないからです。

小泉さんにも、いつも通り「止めた方が良いですよ。やると決まったら、いつでも相談に乗ります」とメールを返信しましたが、「どうしても会って相談に乗ってほしい」と頼まれ、新横浜駅近くのカフェで数年ぶりにお会いしました。以下はその時に交わした会話の内容です。

筆者:どうしてまた、独立開業しようと思ったんですか?
小泉さん:中小企業診断士の資格を取得し、いろいろと活動を模索してきましたが、いまの会社では中小企業の発展に貢献することは難しいと感じています。独立してきちんと中小企業と向き合いたいと思います。
筆者:小泉さんは金融機関で審査業務をしていて、中小企業経営にかなり関与できているのではありませんか?
小泉さん:他の企業内診断士と比べるとそうかもしれません。でも結局、審査といっても担保のあるなしが中心で、経営を診て取引を判断するということではありません。もっと中小企業に入り込んで、自分の知識・経験を生かして、中小企業の役に立ちたいわけです。
筆者:なるほど。中小企業だと、公的分野で仕事をするつもりですね。
小泉さん:はい、そのつもりです。自治体や商工会議所とかと連携して。
筆者:公的分野は儲かりませんよ。
小泉さん:ええ、それは承知しています。

少し補足すると、プロコンには、自治体や公的機関と連携して中小企業を支援するタイプと、連携をせず自力で中堅・大企業にサービスを提供するタイプがあります。

前者の場合、自治体・公的機関からの報酬は1日数万円と安いので、年間150日以上稼働する「売れっ子コンサルタント」(前後の手間がかかり、150日以上稼働なら売れっ子です)でも、年収は1000万円に達しません。

こうした公的分野には、年金をもらいながらボランティア的に公的診断をお手伝いする高齢のコンサルタントが多く、業界では“年金診断士”とも呼ばれています。

筆者:独立しようか、迷っているということですが。
小泉さん:ええ、やっぱりコロナのこの時期ですから。
筆者:奥さんが反対されているとか。
小泉さん:いえ、妻は「あなたの好きなようにすれば」と言ってくれています。コロナでも、それは変わっていません。
筆者:時期ということでは、いまは独立開業に非常によい時期だと思いますよ。
小泉さん:えっ、そうなんですか?