在宅勤務で潰れる人と躍進する人の決定的な差

「どのような在宅勤務をしていったらいいか」を考えていく必要がある(写真:jessie/PIXTA)

新型コロナウイルスは、多くのビジネスパーソンの生活スタイルを変えた。これまではなかなか浸透しなかった在宅勤務が一気に加速し、通勤せずに家で仕事をすることが当たり前になったのである。

こんな時代が訪れることになるなど、1年前には誰が想像しただろう?

だが、多くの人はそのインパクトがキャリアにまで及ぶことに気づいていないと指摘するのは、『在宅HACKS! 自分史上最高のアウトプットを可能にする新しい働き方』(東洋経済新報社)の著者、小山龍介氏である。

在宅勤務によって生産性が上がると気づいた会社は今後、オフィススペースを縮小させていくことになるだろう。だが、もはや問題は「在宅勤務が進むかどうか」ではなく、「どのような在宅勤務を実現するか」へ移行したというのである。

そして重要なことは、在宅勤務は単なる働く場所の選択ではないということです。新しいキャリアの選択であり、人生のあり方の選択なのです。(「はじめに」より)

「会社から解き放たれた人生」という選択肢

それは、「会社から解き放たれた人生」という新たな選択肢だとさえいう。在宅勤務は、これまでとは違う、従来の何倍ものアウトプットを実現する新しいキャリアの可能性をもたらしてくれるということだ。

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仕事とプライベートとの区別がつきにくい在宅勤務では、成果による業務管理が行われることになる。すると当然ながら、生産性の高低がシビアに明確化される。しかし業績をあげられる人にとって、それは従来以上に評価されるチャンスでもあるだろう。

また短時間で成果を上げることができれば、これまで以上の時短が実現し、余った時間を利用して新しいキャリアを磨くことも可能だ。

それだけではない。在宅勤務は孤独だという意見もあるが、ネット時代においては、会社の枠を超えて人脈を広げることができるというメリットもある。

つまり、すべては考え方であり、リスクに見えるものもポジティブに変換してしまえるのだ。そこで本書では、環境整備、行動管理、コミュニケーション、情報整理、ひいては副業まで多岐にわたって、そのためのハックを紹介しているのである。

ここではそのなかから、実作業に関する問題に比べれば注目される機会は少ないとも考えられる「メンタル&ヘルス」のハックに焦点を当ててみることにしよう。

グーグルに代表される多くのIT企業が、マインドフルネスに積極的に取り組んでいるという話を聞いたことがあるかもしれない。マインドフルネスは簡単にいえば瞑想のようなものであり、雑念を取り払ったうえで「いまここ」に意識を集中させるという手法である。

ITのような最先端で動きの速い業界においては、自分をクリエイティブな状態に保つことが必要とされる。またスティーブ・ジョブズが座禅にはまっていたという話からも推測できるように、経営者であれば絶えずプレッシャーにさらされることにもなるだろう。

だからこそ、マインドフルネスが重要な意味を持つということだ。

在宅勤務では周囲に人がいないこともあり、瞑想をすることも難しくはない。基本は呼吸法なので、まずはしっかり肺の中にある空気を吐き出し、続いてゆっくり息を吸い込んでみよう。

もし不安なことや心配事があるなら、まずは呼吸から整えてみるといい。そもそも在宅勤務は、どんどん瞑想のようになっていくものだと小山氏は言う。