相手の心をつかむプレゼンが「13分」なワケ

クライアントを説得しようとするのではなく(写真:ALotOfPeople / PIXTA)

「起承転結」ではなく「転→結」が効果的

経営コンサルタントは、プレゼンテーションする機会が非常に多い。その経験から、効果的にプレゼンする裏技を1つお伝えしたい。

学者風のおかたくてつまらないプレゼンをしようと思ったら、話は簡単。起承転結で話せばいい。ところが、端的さを好む欧米人あたりに、起承転結でしゃべると、「一体、何が言いたいんだ」とイライラされる。欧米人には、結から入って「結論はこれこれである」と指摘しておいてから、「なぜ結論がそうなるかというと……」という具合に“結起承転“という流れで語っていくといい。

しかし、日本人相手にプレゼンするときは、結から入るこの手法はほとんどの場合、失敗に終わる。「おまえたちは予断があり、そこへ結論誘導しているのだろう」とあらぬ疑いをかけられて紛糾するケースが多いのだ。

それで私が編み出した手法が「転→結」からはじめる“転結起承”という流れ。結論を冒頭でいきなり語るのではなく、転からはじめて結に至るのである。学者風に起→承とはじめてしまうと、結論までが遠すぎるからプレゼンが間延びする。相手の集中力が切れかけたところで、結論を述べても頭にすんなり入らないから感心も感動もされない。

そこで起→承を後回しにして、転→結と結論を先に語る。そして「なぜこういう転→結となったかというと、そもそもこういう起→承があるからです」という流れで展開すると、「わかりやすい」「さすがですね」「お見事ですね」といったお褒めの言葉をいただく。

転からいきなり入ると、相手は「?」と意表を突かれたような顔をする。プレゼンにエンターテインメントはいらないが、短時間で相手のハートをつかんでこちらの土俵に引き込むための表現技法は必須である。

「?」という反応が引き出せて、参加者数人がいすから前のめりになってくれたら、つかみはOK。すでに触れたように、前のめりの姿勢になるのは、関心や興味が引けた証拠だ。

かくいう私も最初からそんな芸当ができたわけではない。ある程度経験を積んで自信ができてから、起承転結に代わる新しいスタイルとして編み出した。

読者の皆さんもこの方法を試す前に、起承転結のプレゼンに慣れておこう。それからトライしても遅くはない。また、最終的にどういう順番でプレゼンをするにしても、結論をロジカルに導くときには、起承転結という順番で考えるといい。

プレゼンは13分、プレゼンシートは3枚以内

私が講演で話すときは、1つの山場が13分以内で終わるように気をつけている。1対1でビジネスの話をしたり、大勢を前にプレゼンテーションしたりするときも、同様に“13分ルール”を守っている。

それはどんなに興味深く、魅惑的な話でも、聞き手の集中力はそれくらいしか続かないからである。13分を大きく超えると面白い話も記憶に残らないし、話が間延びすると逆につまらなく受け止められる。聞き手が飽きているのに、気づかないで話し続けるのはナンセンスである。

なかには、プレゼンでプレゼンシートを何十枚も使って説明しようとする人がいる。

経営コンサルタントの最終提案ならば、それくらいのボリュームになるのはわかるが、社内会議やプロジェクトに向けた通常のプレゼンなら、プレゼンシートは多くても3枚程度にとどめてほしい。無論、1枚に結晶化するのがベストだ。

プレゼンシートは1枚説明するのに3分くらいかかると考えると、3枚で約10分。前置きや結論を入れるとトータルで13分程になる。

発表する側としては、分厚いプレゼンシートをつくると達成感がある。「これだけ頑張って資料をつくったのだから、相手はきっと認めてくれる」という、お守りのような効果もあるのだろう。