「計画倒れに終わる人」は時間管理が甘すぎる

最適な時間管理の考え方と手法を解説します(写真:Graphs / PIXTA)
新年の目標を立て、やるべきことを洗い出したはいいものの、1月中に早くも積み残しだらけ……。気づいたら12月、結局いつもと変わらない1年を過ごしてしまった、というのはありがちな話です。タスクを積み重ねても、それを消化できなければ意味はありません。野村證券で数々の最年少記録を打ち立ててきた元プライベートバンカーであり、『鬼速PDCA』の著者の冨田和成氏が、新しい目標に近づくための時間管理の3つのコツを紹介します。

なぜ、いつのまにか忙殺されるのか?

忙しさや業務難易度を心理的なステージに置き換えたものとして、コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーンという3階層についてはご存知だろうか。

コンフォートゾーンは文字どおり、居心地がいい状態。「やりたいことしかやらない」「重荷として感じるものはすべてパス」する状態である。そしてラーニングゾーンは適度に忙しいが充実感がある状態。パニックゾーンは完全に自分のキャパシティを超えるほど忙しい「逼迫した状態」のことだ。

人や企業が成長するためにはコンフォートゾーンを出ることが大前提である。仕事の難易度が上がれば、仕事の量も増えるので仕方のない話である。ただ、そうかといってあまりにやるべきことが増えるとパニックゾーンに入ってしまい、一気に生産性が落ちてしまう。

よって人や企業にとっての理想は、常に「適度に忙しい」状態のラーニングゾーンを維持することになるのだが、そのためにはタイムマネジメントで適時、自分の抱える仕事量を調整する必要がある。

そうはいっても、時間がなければいくらタスクが整理されていても実行に移せない。事実、若いビジネスパーソンほどマルチタスクに苦手意識を持つ。

特に初めてチームを率いるような立場になると、自分のことに専念するわけにもいかなくなるし、より俯瞰した目線でさまざまなPDCAを回していかないといけない。これではあっさりパニックゾーンに入っても仕方がない。そのときにはじめてタイムマネジメントの必要性を痛感するわけだが、タイムマネジメントといっても方法は3つある。

? 捨てる
? 入れかえる
? 圧縮する

あくまでも、この順番で行うことがポイントだ。

マルチタスクというと、いまの時間の使い方を効率的にするために時間を圧縮することを真っ先に考える人がいるが、それは順番的には最後に行えばいい。または新しい仕事と既存の仕事の優先度を比較してスイッチングをすることも考えられるが、それは2番目でいい。

真っ先に考えたほうがいいのは「いま抱えている仕事で捨てられるものはないか?」である。それが一番簡単で効果があるからだ。

「捨てる」ために既存の仕事の棚卸しをする

捨てられる仕事を浮き彫りにするには、現状抱えている仕事をすべて洗い出し、その時間配分を把握しないといけない。棚卸しする単位は1週間が最適だろう。具体的な行動は変わっても、1週間の業務フロー(や、プライベートな時間の使い方)はそう変わらないはずだからだ。

職場なら一日平均9時間働いていたとしても5日で45時間。その45時間をどんな作業で何時間使っているのかがわかればいい。1日にどのくらい時間をかけるか計測して、それを週に何回行うかで掛け算をすればいい(資料づくり10時間、電話対応4時間、など)。

この作業は一度でもやればそのあとは比較的すんなりと書き出せるはずだし、もし肌感覚でしかわからないのであれば、生活のログを取るアプリなどで一度、自分の1週間の行動をリサーチしてみればいい(感覚的に書き出すと大抵大きくズレる)。