「計画倒れに終わる人」は時間管理が甘すぎる

この棚卸し作業が強烈に効くのはプライベートな時間の棚卸しだ。職場の場合は目の前に山積みされた仕事という明確な目標があるので、それなりに時間に対する意識は働きやすいが、「プライベートな時間まで管理するのはちょっと疲れる」という人がほとんどだろう。

実際に当社のワークショップでも社員にプライベートな時間を棚卸ししてもらったが、ほとんどの社員が、自分が想像していた以上に無駄な時間が多いことを知って驚いていた。

さて、時間の「ぜい肉」を削ぎ落としてもなお新しい仕事を実行する時間がないなら、既存の仕事と新しい仕事を優先度で比較して入れかえる。そこで使うのが『7つの習慣』でおなじみの「重要・緊急マトリクス」だ。

「入れかえ」のために 重要・緊急マトリクスを使う

まず緊急度を横軸、重要度を縦軸とする。そして右上から第?事象が「重要・緊急」、右下の第?が「重要・非緊急」、左下の第?が「非重要・緊急」、左上の第?が「非重要・非緊急」を置く。そこにまず、現状抱えている仕事や、行なっていることをプロットしていく。

実際に仕事をプロットする場合の基準としては、重要度については3段階に分けて、上位の2つを重要領域に、最下位を非重要領域に置く。緊急度については3カ月未満の話であれば緊急、3カ月以上であれば非緊急に置けばいい。

ちなみに先ほどの「捨てる」プロセスをこのマトリクスで行なってもいい。いざ自分の時間の使い方をマトリクスで整理してみると、「非重要」領域に属する仕事が想像以上に多いことに気づくだろう。

プロットが終わったら、新たに追加したい仕事がどの事象に該当するのかを考え、入れかえできそうな仕事を探す。当然、入れかえの第一候補が第?事象になることはおわかりだろうが、第二候補は第?事象(非重要・緊急)領域である。

自分にとっての重要度を検討する機会に

この第?事象に入ってくる典型的な仕事とは以下のようなものがある。

仕事での第?事象の例
・上司の思いつきで振られた雑用
・形骸化した会議や報告書
・先輩の愚痴を聞くこと

プライベートでの第?事象の例
・友人からの酒の誘い
・配偶者のご機嫌取り
・会ったこともない人の冠婚葬祭

誤解を恐れずにこれらの共通点を言えば、「他人が強く要求してくるが、自分にとってはどうでもいいこと」である。つまり、相手との調整ができれば無駄が省ける可能性が残されているということだ。

とくに職場の場合、PDCAPlan<計画>→ Do<実行>→ Check<評価>→ Adjust<改善または調整>を繰り返して業務を改善していく手法)を回す習慣がない組織ほど無駄な仕事が多い。しかし「慣例だから」というだけで緊急度が上がるわけである。それを打破するには相当なエネルギーを要するが、その方法について検討してみるいい機会になる。

第?領域を検討してもスイッチングできないのであれば、次は第?と第?の「重要」領域の出番だ。

一般論で言えば第3候補は緊急度の低い第?領域(重要・非緊急)になると思われがちだ。ましてや新しい仕事が急を要するものであれば、重みづけとしては新しい仕事が勝る。ただ、個人的にはこの第?事象はできるだけ削りたくない。なぜならこの領域はいずれも成長の原資だからである。

仕事での第?事象の例
・営業スキルを磨く
・海外のニュースをチェックする
・部下を鍛える

プライベートでの第?事象の例
・英会話を学ぶ
・運動をする
・結婚相手を見つける

このようにいずれも「将来、大きなリターンが期待できるもの」だ。緊急性だけで、第?事象を切り捨てると決めてしまうと、例えば「勉強する」「スキルを磨く」「鍛える」といったあらゆる自己研さんのためのタスクが切られてしまう。