「自己肯定感が低い人」がやってしまう言動4つ

自分に自信がない人がつい口に出してしまう言葉とは(写真:Pangaea/PIXTA)
メンタルコーチングをした星稜高校野球部が甲子園決勝進出を果たし、女子スピードスケート髙木菜那選手は平昌五輪で2つの金メダル獲得するなど、メンタルコーチとしてビジネスとスポーツの両分野で実績を残してきた飯山晄朗氏。『勝者のゴールデンメンタル』の著者でもある同氏が、「自身がない」「メンタルが弱い」という自覚のある人がやってしまいがちな言動と対処法を解説します。

結果がでなかった時の「言い訳」

自信がない。メンタルが弱い。こういった自覚のある方の多くが、無意識に自信を下げる言葉を使っている可能性があります。例えば、「できればやりたいと思っています」「できるように努力したいと思います」といった言い方をよく口にしてはいないでしょうか。

自分で口にしてみるとわかるのですが、この表現では前向きに物事を取り組むのは難しいでしょう。「できれば」という裏には「条件が整ったら……」、「努力したい」という裏には「努力はするが……」と、それぞれ結果が出なかった時の”言い訳”が隠れています。

願望を口にすることを決して否定するわけではありませんが、脳にとっては「逃げ」の言葉になり、行動にプラスに働きません。そして、自分で言った目標を達成できないでいると、自信もどんどん下がっていく一方です。では、どのような言葉を使うようにすれば、自分の自信を取り戻すことができるのでしょうか。

私はこれまで2万人以上の方と向き合い、脳科学と心理学に基づいたトレーニングによって、多くの方のメンタルを改善してきました。そして、その結果、オリンピックで金メダル獲得、甲子園で決勝進出など、さまざまな成果を残すことができています。長年のメンタルコーチングを通して学んだ大事なことは、普段の「言葉遣い」に気をつければ、やる気や自信は高まっていくということです。

今回は、自信がない人が使ってしまっている口癖を4つのシチュエーション別にご紹介していきます。それを、どう言い換えればいいのか対処法もご紹介しています。オリンピックメダリストや一流経営者にもお教えしているメソッドです。自信をもてない方、意志が弱いという自覚がある方など、ぜひ普段から実践してみてください。

①「~したい」「~できればいいな」

「できればやりたいと思っています」「できるように努力したいと思います」スポーツのメンタル教育の現場でも、企業の社員教育の現場でも、目標や取り組みに対して、このような表現で決意表明しているところがあります。

この表現では自信を持って目標に向かうことは難しいでしょう。冒頭でもお話しした通り、「できれば」という裏には「条件が整ったら……」「努力したい」という裏には「努力はするが……」といった“言い訳”につながります。

自信を持って、夢や目標に進むためには、「できる」と言い切る形で言うようにしましょう。実は、脳は「~する」という言い切りの言葉にだまされてしまい、そのことを勝手に実現しようとする性質があります。「できたらいい」は「できる」に。「努力したい」は「努力する」に。「~したい」と「~する」には言葉以上の差があるのです。

欠点をプラスに転換させる

②「他人を気にしてしまう」と自分を卑下する

他人の目を気にすることが悪いという風潮がありますが、誰しも多少は他人と自分を比較してしまうものではないでしょうか。その言葉自体は悪くありません。他人を気にする自分が悪いと悩んでいることをやめていただきたいのです。

そこで、周りの人が気になるというマイナス面を、「だからこそ」という言葉を入れてプラスの側面を見つけてみましょう。例えば、「周りの人が気になってしまう。”だからこそ”落ち着いて周りが見えている」という捉え方もあります。「周りの状況がよく見える」「周りの状況の変化に敏感」というプラスの側面を見つけることができたわけです。
他には、「野球の選手としては小柄だ」ということに悩んでいる場合は、「だからこそ、俊敏さでアピールできる」