逆境も笑って乗り越える「強い心」を鍛える4秘訣

そんな中、人にいわれるがまま、自分で自分の道を決めずに他人の人生を生きていると、どんどんつらくなってしまう。個人がなんとなくの常識やしがらみ、ルールや正解に従って生きることで、一生を平和に終えられる可能性は限りなく少なくなったのです。

そうであるなら、一人ひとりが「なんとなくの正解」から勇気を持って逃れて、自分で決めた道を歩いていくことが何より大切な姿勢となります。

コロナ禍で求められる決断

自分で正解を決めることが重要だと最近あらためて再認識したのは、コロナショックでビジネスに直接影響を受けた、飲食店やホテルなどの経営者や、自粛によって仕事に影響を受けた人たちの発言や振る舞いに触れたときでした。みなさん本当に大変そうで、なんとか事業や仕事を続ける人もいれば、考えた末に事業を閉じる決断をされた人もいました。

中には、「ここ1年の仕事が吹っ飛んだので今日からUber Eatsの配達員になります!」と、ニコニコ笑って行動する人もいたほどです。いずれにせよ、そこには人にはいえないつらさがたくさんあったのだと推測します。しかし、多くの人がポジティブでした。

「残念ながら店は閉じざるをえない。でも、ここから新しい挑戦に踏み出していく。そのために閉じるんだ」

「これまでデリバリーやテイクアウトはやってこなかった。でも、これもせっかくの機会、新しいチャレンジに取り組む」

インバウンドの事業に取り組む私の友人は「売り上げが激しく減ったけど、インバウンド事業をやっているから外国人社員がたくさんいる。これを活かして翻訳事業に取り組む」と、これまでまったく経験のない事業にチャレンジしました。

それは、自分の意思に従って人生を生きるという“きれいな話”だけでなく、そうしなければ生き残っていけないからという要素があるのだと思います。表面的にはポジティブでニコニコしていても、白鳥のように、水面下では足ひれをバタバタと必死でかいていたのだと察します。

自分で決めて踏み出していくことが本当に重要なのだと、あらためてみなさんの行動を通じて教えられました。人は決断して、未来に向かって果敢に進んでいくしかないのです。

そして、大きなマイナスを背負いこんだときに「自分は今どうすべきなのか」とその状況を受けとめ、自分をポジティブに導いていく心の持ちようが大切なのだなとも強く感じました。

「決めて、宣言し、行動する、振り返る」を習慣に

では、どうすればそんな心を持てるのか。誰もが、最初から強い心を持っているわけではありません。私も基本、ガラスのハートの持ち主です。だから、それはもう少しずつ鍛えていくしかないのだと思います。

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「決めて、宣言し、行動する、振り返る」を繰り返していくうちに、だんだんと自分をポジティブに導いていけるのでしょう。文句をいったり不安にとらわれていたりしても、つらさが増すだけで、解決に向かうわけではありません。

ならば、自分で「自分にとっての正解」を決め、まずは宣言する。「自分の正解」を言語化し、自分を客観的に見つめる。そして宣言したことに毎日取り組み、取り組んだ成果を振り返り、気づきを得る。そうやって、習慣に変えていく。

習慣になっていれば、自分が決めた道をこつこつと歩いていくことができる。そうすることで、自分を成長させることができ、結果として自分に自信が持てるようになるのです。

このプロセスを繰り返し続けていると、たとえまわりで何が起こっても、自分が決めた道をときに迷いときには失敗しながら、最終的には自分の意思に自信を持って進んでいけるようになるでしょう。

自分を導く「Lead the self」という生き方に踏み出すにあたり、まずこの姿勢をみなさんに知ってほしいと思います。