「メンタルが安定しない人」が言いがちな言葉4つ

ちょとしたことで気分が沈むなど、心の浮き沈みが激しい人が口にしがちな言葉とは(写真:Claudia/PIXTA)
メンタルコーチングをした星稜高校野球部が甲子園決勝進出を果たし、女子スピードスケート?木菜那選手は平昌五輪で2つの金メダル獲得するなど、メンタルコーチとしてビジネスとスポーツの両分野で実績を残してきた飯山晄朗氏。本稿では、『百年メンタル~心の調子をキープする言葉の取扱説明書』の著者でもある同氏が、「心の浮き沈みが激しい」「メンタルが安定しない」人に見られる口癖について解説します。

言葉遣いを変えて感情をコントロールする

「将来のことが不安で心が安定しない」「人間関係のストレスで心の浮き沈みが激しい」。最近はこのようなご相談を受けることが多くあります。こうしたメンタルに関する不安・不調を脱するカギは「自分の感情をコントロールする」術を知ることです。

私はメンタルコーチング歴15年、これまで2万人以上の方と向き合い、脳科学と心理学に基づいたトレーニングによって多くの方のメンタルを改善してきました。

メンタルトレーニングというと、「心を強く」というイメージをお持ちかもしれませんが、少し違います。私が専門とするメンタルトレーニングにおいて、最も重要なものは「感情をコントロールすること」であり、「心の安定」を最優先に目指すイメージです。

なんらかの状況において、必要以上にプレッシャーを感じるなど、感情がよくない方向に動いたときに、その感情をきちんとコントロールしてよい方向に導くことです。

結果を左右するのは、感情をコントロールする方法を知っているかどうか。そして、そのうえでトレーニングを積んで実際に感情をコントロールできるかどうか。それだけのことです。それは誰もができることであり、そうできている人について、周囲の人が「あの人は心が強い」「メンタルが強い」というふうに表現しているに過ぎません。

メンタルトレーニングで大事なことは、「心がよくない方向に動いたとき(動きそうなとき)の対処」です。では、そこへの適切なアプローチは何なのか。

私が長年のメンタルコーチングを通して確信している答えは、「言葉遣い」を変えれば、着実に好転していくということです。実際に、これまで徹底した「言葉遣い」に対する指導によって、オリンピックで金メダル獲得、甲子園で決勝進出、全国技能五輪で2年連続優勝など、さまざまな成果を残すことができています。

例えば、物事に取り組んでいて失敗したときに「なぜ失敗してしまったんだ」と嘆いたり、落ち込んだりすることもあるかもしれません。実はこれは、ますます失敗しやすくなり負のループに陥ってしまうマイナス言葉なのです。

どのように改善していけばいいのか。この記事では、「マイナス言葉」からメンタルを安定に導く「プラス言葉」への言い換えをご紹介しています。やりがちな4つのシチュエーションを例にして、つい言ってしまう口癖とその対処法をお教えいたします。メンタルが安定しない、浮き沈みのある方は、ぜひ参考にしてみてください。

謙虚さは素晴らしいけれど…

①「自分なんて~」

「あの人と比べれば自分なんて~」「能力の低い自分なんて~」と自分を下げるクセがついていないでしょうか。その謙虚さは素晴らしい部分もありますが、「自分なんて~」という言葉は脳にはマイナスとして伝わり、心の調子を下げてしまいます。

そればかりを使っていると自分の本来持っている能力を制限してしまうのです。ですから、「自分なんて~」という言葉を「自分だからこそ~」と変換するようにしていただきたいです。

例えば、「周りの目を気にしてしまう」と悩んでいるのなら、周りの人が気になるというマイナス面を、「だからこそ」という言葉を入れて「周りの人が気になってしまう。?だからこそ?落ち着いて周りを見られている」という捉え方もありますね。「周りの状況がよく見える」というプラスの側面を見つけることができたわけです。