「辛口ばかりで疎まれる人」が見落とす盲点

結果がいま一つでも、努力やプロセスがよい場合には、「頑張ったね!」とまずはねぎらってください。努力に対してきちんと感謝することがポイントです。今回は残念ながら結果につながらなかったとしても、近い将来、よい結果に結び付いていきます。労をねぎらい、その努力・プロセスを続けてもらうように方向づけすることが必要で、短気を起こしたり、嫌味を言ったりしたら、そういった正しい努力・プロセスを続けてはくれません。

肝心なのは、結果が悪かったときです。「今回はうまくいかなかったけれど、次はこうすればうまくいくよ。大丈夫だよ」と励まします。これができるためには、かなりの人間力、人としての器が必要です。多くの上司は、結果がだめだったとき、まず怒りをぶつけると思います。自分の指導不足のせいで結果が出なかったとしても、部下をしかり飛ばすことがほとんどでしょう。

どういう状況であろうと、結果を出させるのが上司の仕事です。結果が出なかったのは部下にも少し責任がありますが、主に上司の指示不足、助言不足、管理不足などが本当の問題です。部下を怒るなど、筋違いです。

このとき、「このバカ野郎。地獄に堕ちろ」的なことは絶対に言うべきではありませんし、心の中でも思ってはいけません。相手には、こちらの気持ちがすべて伝わってしまいますから。

自分は腹が立っても、それをコントロールしてうまく隠せるから大丈夫だと言う方がいらっしゃると思いますが、隠し通せることはまずないと思います。どうしても、部下の心を傷つける言葉やボディランゲージを発してしまいます。皆さんも、何かをしくじったとき、ご自身の上司の怒りをひしひしと感じたことがあるのではないでしょうか。それと同じで、自分の怒りを隠すことはできません。

では、どうすればいいのでしょうか。

1日20回やってみる

以下、私が企業の意識・行動改革を進める際のやり方をご紹介します。

まず、部課長、支店長など、部下を持つ人には、毎日20回のポジティブフィードバックを約束していただきます。週末は褒めなくていいとはせず、家族や周囲の人に対して毎日20回を維持してもらいます。難しいことを抜きに、形から、習慣づけから入るわけです。

「この間の報告、すごくよかったよ」「お客さんが喜んで電話をくれたよ」「新人の面倒を見てくれてありがとう」「朝のおはようが元気よくて、すごくいいよ」「朝早く来て職場をきれいにしてくれてたって聞いたよ」というような感じです。

毎日退社時には、その日に行ったポジティブフィードバックの回数をメールで私に伝えてもらい、私からすぐに激励の返信をしています。初日、2日目は照れもあって5~10回程度にとどまりますが、だんだん増えていきます。

ほとんどの方は4、5日以内に20回を突破します。毎日何回行ったかというメールのやり取りをしているので、それが水増しではなく、真摯に取り組んでいただいたことがよくわかります。私からのフォローは2週間続けますので、その間に成功体験を得て、継続できるようになります。それまでコワモテだった上司でも、うつむいていた部下の顔が明るくなるので、驚きと喜びを感じていただけます。

「これまでいい話はすぐに報告してくれたけれど、悪い話はなかなか話してくれなかった。それが変わった」「職場が明るくなった。笑い声が出るようになった」などをよく聞きます。

家庭でも大きな効果があったという声も多くいただきます。

私が全国の支店にお邪魔して、ポジティブフィードバックのセッションを実施したときのことです。夜、家に帰って奥様にねぎらい、感謝の声をかけた方々から後日、感謝の言葉をいただきました。