「辛口ばかりで疎まれる人」が見落とす盲点

ある方は、「赤羽さんに言われたとおり、無理して妻を褒めたら「あんた、何かやましいことでもあるの?」と言われました。なので、赤羽さんというコンサルタントの人が支店に来て、ポジティブフィードバックを教えてくれたからだと説明したら、今まで1度も私を褒めたことのないあんたが褒めるなんて、赤羽さんに感謝したいわ、と言われました」と報告してくれました。

また別の方は、「今朝、家を出るときに外まで妻が送りに出てくれました。10年ぶりくらいでした」と驚いていました。この方々だけでなく、そうした声が相次いだのです。

普段、いかにポジティブフィードバックをしていないか、という表れではありますが、即効性があり、しかも決して難しくない、という証拠ですね。

ポジティブフィードバックを習慣化すると、人のよい面をいつも意識して見るようになるので、自然に前向きな気持ちになります。人のあらを探すよりは、よい面、努力した内容のほうに意識が向きやすくなります。結果として、人との関係がぎすぎすしなくなり、コミュニケーションも十分行われるので、成果を出しやすくなっていきます。怒り自体が根本から減っていきます。

先ほども少し書きましたが、ポジティブフィードバックをすると部下が怠けるのではないか、という質問を本当によく受けます。私はこれに対して「まったく心配いらない」と断言しています。結果に対してポジティブに接するというだけですので、別に甘やかすことではありません。

だめなものをよいというわけでもありません。だめなときはだめと言いつつ、「でもこうすれば次回はうまくいくよ」「これはだめだけど、こうやって対応しようね」というポジティブなトーンで接する、というだけです。

上司にそう言ってもらって救われる人がどれほどいることか。たとえ、確かに少しだけ怠け心がありそのためによい結果が出せなかった人でも、これからは頑張ろうと思うはずです。この気持ちは何人でも、何歳でも変わりません。

余計なストレスやパワハラを根本から絶つ

こうしたポジティブフィードバックは、グローバル企業では比較的普通に行われています。しかし私の知るかぎり、多くの日本企業では現在も体育会的体質が強く、根性論で運営されていることが非常に多いのです。著名な大企業も、中小企業も、企業規模にかかわらずポジティブフィードバックはあまり見られません。

30年前の高度成長期まではそれでも何とかなっていたのかもしれませんが、右肩下がりが続き、昇進・昇給がそれほど見込めない今、決して効果的ではありません。男性でも30代以下、女性、外国人には、通じません。

照れずに今すぐやってみられるとよいと思います。余計なストレスやパワハラを根本から絶つ方法でもあります。職場が明るくなるので、悪い報告も早く上がってくるようになりますし、メンバー間の連携、チームワークも劇的によくなります。

(文=赤羽 雄二:ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター)