ホンハイ、シャープ再建に成功…たった1年で黒字化の偉業達成

シャープ本社(「wikipedia」より)

 シャープの株式が2017年12月7日、東京証券取引所第2部から同第1部に市場変更された。1部復帰は約1年4カ月ぶり。復帰後初の終値は3805円。10月に10株を1株に併合しているため3000円台だが、12月5日には4035円の年初来高値を付けた。実質的な株価で見ても、鴻海(ホンハイ)精密工業が株式を取得した時に比べて4倍以上になった。

 シャープは主力の液晶パネル事業の不振で16年3月末に債務超過に転落。東証の上場ルールに基づき、同年8月に1部から2部に降格していた。その後、ホンハイの出資を受け、日本の電機大手で初めてアジア企業の傘下に入った。

 ほぼ同時にホンハイ出身の戴正呉氏が社長に就き、コスト削減や液晶パネル事業の拡大を主導。急ピッチで業績を改善させてきた。

 その結果、17年3月末に債務超過を解消、6月に東証1部への復帰を申請、11月末に承認を得た。

 東証1部復帰に先立ち、ホンハイの郭台銘董事長が支配する会社がシャープ株の一部(発行済み株式の1.08%)を189億円で売却した。東証1部に復帰するには、上場株式の35%以上が流通している必要がある。ホンハイグループの出資比率は65.86%から64.78%に低下した。

 戴正呉氏は社長就任時に「東証1部復帰と黒字転換」を目標に掲げた。そのひとつである東証1部復帰は果たしたため、あとは黒字転換だ。

 17年4~9月期の連結決算の業績はV字回復した。売上高は前年同期比21.3%増の1兆1151億円、営業利益は405億円の黒字(前年同期は7900万円の黒字)、最終損益は411億円の黒字(前期同期は454億円の赤字)に転換した。前年同期に計上した持ち分法投資損失191億円がなくなったことも利益を押し上げた要因のひとつだ。最終利益は、同期間としては金融危機前の07年以来、10年ぶりの水準に回復した。

 上半期にV字回復したことで、18年3月期の連結決算の売上高は前期比22.4%増の2兆5100億円、営業利益は48.9%増の930億円、最終損益は690億円の黒字(前期は248億円の赤字)を見込む。最終損益は従来予想を100億円引き上げた。最終損益は4年ぶりに黒字転換し、載社長は2つ目の目標を早くも達成することになる。

 もっとも業績を押し上げたのは、主力の液晶パネルを手がける部門だ。シャープは4つのセグメントで構成されるが、売り上げの5割を占める事業がスマートフォンやタブレット、ゲーム用のパネルや液晶テレビなどの「アドバンスディスプレイシステム」部門だ。

 同部門の7~9月期の売上高は前年同期比45.9%増の5216億円。営業利益は163億円の黒字(前年同期は146億円の赤字)となった。ホンハイのグローバルネットワークを活用して、液晶テレビの販売数量を中国やアジア諸国、欧州で拡大させた。

 ホンハイのネットワークと結びついたことで、シャープの復活スピードは市場の予想をはるかに超えた。

 東証1部復帰、黒字転換の目標を達成。18年1月から共同CEO(最高経営責任者)体制に移行し、経営トップのバトンタッチも視野に入ってきた。シャープの17年は輝きを取り戻した年となった。

●カーナビ各社は業績低迷

 オンキヨーの17年4~9月期の連結決算の売上高は前年同期比7.5%減の1761億円、営業利益は35.2%増の20億円、最終損益は26億円の赤字(前年同期は9億6600万円の黒字)だった。自動車メーカーにOEM(相手先ブランド名製造)供給するカーナビの販売が落ち込んだ。