夢=無王吽

夢=無王吽

『むもん』と読みます。

シンクロニシティ・eP1。

強く願えば夢はかなう。

なんてよく言いますが、
ぼくは今日、それを目の当たりにしました。

赤信号で止まり、待っていた時のことです。

対岸の横断歩道前に、エプロン姿の女性たちが押す、
カゴみたいなのが何台か止まっていました。

そのカゴから大勢の、
黄色いぼうしをかぶったチビたちが身をのりだして、
『あーおになーれ!』『あーおになーれ!』と、
大合唱で願い事を唱えていました。

その願いは、すぐにかないました。

赤だった信号は、なんと、青になったのです。

黄色いそろいのぼうしをかぶったチビどもは、
ぼくがいるほうの対岸に向けて、
カゴにたくさんのせられて運ばれてきました。

ぼくは、おお、願いがかなった。と、ビビりました。

そう言えば、ぼくも心の奥では、
青にならないかなと、願っていたかもしれません。

たぶん、信号待ちをしていた老若男女は、
皆が、そう願っていたはずです。
信号ってのは、
そんな仕組みでできているんでしたっけ?

おかみのやることなので、
どうやって信号が青になるのか、
ぼくにはその構造はわかりませんが、
『願う』という説が今、急浮上しました。

信号が赤になると願わずにはいられないので、
今のところ、真実に一番近い気がします。

または、シンクロニシティか?

ここ最近のぼくは、この『意味のある偶然の一致』というやつに、苦しめられてもいます。

出かけるたびに、必ず、
羽虫がぼくの右目に飛び込み自殺をしてくるのです。

毎回毎回、必ず右目。

いいかげん、視力おちるわ。

今日なんて、ムカついたので、

もう全部の羽虫を避けてやる。と決めて、
飛来する大量の羽虫を避けまくっていました。

不審者がいると、思われたことでしょう。

すると、マスクの内側に横から羽虫が入り込み、
羽虫の群れを何度か抜けて、ぼくが安心した瞬間に、
右の鼻の穴にスポッと飛び込み自殺をしました。

一気に喉まで侵入されたので、もう出せません。

マスクの中で、反応した粘膜が鼻水を噴出させます。
しかも喉の奥なので、
吸い込めない鼻水が、勝手に喉へと落ちていきます。

虫は結局でてこなかったので、
たぶんそっちに入って今ぼくの胃にいると思います。

シンクロニシティに逆らおうとした罰ですね。
これは。

今後は、あきらめて右目を提供しようと思います。
虫たちに。
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登録日 2020.10.20 16:21

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