テレビを観ていたらコマーシャルになり、
アン・ハサウェイがフワフワの長髪を揺らしながら、
アルカイック・スマイルを浮かべて歩いていました。

もちろん美人さんであることはすぐわかるのですが、
ぼくは心の中で『あ、ハサウェイだ』と思い、
もし自分が〝ハサウェイ〟だったら、
と、よくわからない想像をしました。

だって、朝起きた時、毎朝自覚するんですよ、
私はハサウェイって。

病院とかでも、看護師さんに呼ばれます、
『ハサウェイさん、どうぞ』って。

電話するとき、どうします？

たとえば上司に電話したら
『あ、もしもしハサウェイです、お疲れ様です』
ってなるんですよ？

なんなのでしょうか、この御陽気な感じは。

やっぱり『ウェイ』のところなのでしょうか。

日本人で名前に『ハサ』が入ってる人はいるかもしれませんが、『ウェイ』が入ってる人なんて、
たぶん一人もいないですもんね。

日本人でもアンは、いそうですし。

やっぱウェイか。

ぼくも無王吽なんてややこしい名前にせず、
ウェイにすりゃよかったかな。

でもこれ、文字だとすごくファンキーな感じだけど、
音で発すると『上井さん』になっちゃうのかな。

てことは、いるな。きっと。日本にも。

波左上井。

漢字で書くと、武将っぽくなるな。

『のう波左、槍衾よのう』みたいな。

なんの話だ。

なんにせよ、ハサウェイはちょっと羨ましいな。

アン・ハサウェイと結婚して、
名字をハサウェイにしたいという夢が、
心の奥深くにひとつ、そっと重なりました。

マッゴーワンやシュワルツェネッガーでもいいかな。