『泉界のアリア』本編完結しました

『泉界のアリア』本編完結しました。
読んでくださり心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

神話的なものが好きで、ギリシャ神話のような人間くさい神様の話を書きたいと思って生まれたのがアリアです。

愛ゆえの狂気、愛される苦悩、異端の宿業と哀しみ、死と輪廻、主従愛、種族間の制約、似た容姿、血族内の愛憎…
そういった萌え要素をてんこ盛りにしたクドい作品です。

主人公の二人について。ナシェルは見た目は典雅な美貌の若い神様ですが、冒頭、諸問題を抱えていささか表情に険のある(笑)、アクの強い主人公です。自分の感情にも嘘をついている、なかなか厄介な受けですが、その欠点ゆえに書きやすいキャラでもありました。後半、少しは素直になれた…かな? ぜひ感情の変遷を見比べていただきたいです。

冥王はとぼけた言動がある一方で妙に強権的だったり、説教臭かったり優しかったりと、型にはめず多面性を持たせました。前半、ナシェル視点なのでこの父は一体何を考えているのかサッパリ分からないのですが、後半、父視点で徐々に明らかになるにつれナシェルへの壮大な愛が見えてくるという構図です。第4部の溺愛ぶりを見ていただければと思います。

冥王とナシェルの関係は父子であり、容姿的には双子であり、主従であり伴侶であり「素直になれない関係」だったりもしてみました。
ハタからみると父子という奇妙なカプで、最終的にハピエンって、これもある意味(地上界の常識からすると)おかしいのですが、神族ということで常識外れもお許しください。

ダークサイドが大好きな筆者にとって、冥界の暗鬱な情景を描写するのは楽しかったです。荘厳さを伝えきれたかは不明ですが、筆力の限界まで語彙を尽くしました。
 
構想時には第五部をやる予定でしたが、自サイトでの完結から年数も経過し、本編からさらに数百年後の後日談ということで、今さら蛇足ですし、この続きは作者の頭の中だけにしまっておくことにします。

叙事詩的な世界観でお送りしましたが、改稿を重ねるにつれ少々コミカルな会話文を追加し、あまり耽美に偏りすぎないようにしました。
本編51万文字となかなかの長編にも関わらずお読みくださり、本当にありがとうございました。番外編も引き続きお楽しみ下さい。

『過去編』(昔語り)を未読の方はぜひ過去編も合わせてどうぞ。(父子の確執のはじまり、エロ強め)
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登録日 2020.11.25 04:24

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