『桜の護王』14.鳴滝(8)アップ。(個人サイトにて)
空気は生温く護王を包んでいる。気持ちも心も、もうそれほどもたないことを護王は感じ取っている。
ひたすらに診療所に急ぐのは最後のケリをつけるためだ。
洋子を追い詰めたもの全てをこの手で始末するためだ。
「姫さん……待っててな…?」
今度こそ連れていってくれるやろ、と低い声でつぶやいて微かに笑う顔に正気は残っていない。
あれだけの出血を続けて、人間がもつわけがないことを護王は知っている。飽きるほど長い人生の中で、繰り返した人との別れの中で、よく、知っている。
「嘘つき村上」
ひたすらに診療所に急ぐのは最後のケリをつけるためだ。
洋子を追い詰めたもの全てをこの手で始末するためだ。
「姫さん……待っててな…?」
今度こそ連れていってくれるやろ、と低い声でつぶやいて微かに笑う顔に正気は残っていない。
あれだけの出血を続けて、人間がもつわけがないことを護王は知っている。飽きるほど長い人生の中で、繰り返した人との別れの中で、よく、知っている。
「嘘つき村上」
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登録日 2016.11.13 22:34
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