【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗

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第61話 獣に迫られる

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ほぼ満腹状態で入ったコンビニで見るお弁当やホットスナックは胸やけを誘ってきたけど、
「なぁ、これも食べる?お、これもいいな」
楽しそうにはしゃぐ大和を見ていると、誘ってよかったとホッとする。

しかし、だ。
勢いとはいえ、自分の部屋に大和を招き入れてしまうとは…。

気まずいのは、大和から試してみてほしいともらったデオドラント商品を怒りに任せて部屋の隅に追いやったままだということ。
そして、いつ大和が獣みたいに豹変して色気全開で襲ってくるのかということが心配すぎる。

あ~、どうしよう。
不安になりながらも買い物を済ませ、ひとまず大和にはいったん部屋へ帰ってもらった。

すぐにデオドラント商品をメインの部屋へ。

ビニール袋から商品を取り出しながら
「ちゃんと使って感想を伝えなきゃな」
と、あらためて思う。

ひとつ手にとって開封し、少し汗ばんだ額に当てるとひんやりと気持ちいい。

「すげぇ…」

しかもパッケージの粘着テープはしっかりとしていて開け閉めしやすく、制汗シートには厚みとたっぷりの水分量があって使いやすい。
これを同じ高校生の、しかも同じクラスで友だちの大和が作ったのだと思うと誇らしい気持ちになった。

「これは無香料か。こっちは…」

いろいろと試しているうちに、ピンポンを連打する音が聞こえてきて焦る。

「うるっせぇ!開けるからピンポン連打するなっ!」

慌てて玄関へ行ってドアを開けると、
「…は?なに?その大荷物…」
寝袋に枕、トランプにオセロを持った大和が満面の笑みを浮かべて立っていた。

「だってこのまえ和馬、寝ちゃったじゃん。あんなことになったら防犯上、うんそう、防犯上あぶないから帰れないじゃん?」

ニヤニヤする大和に、
「お前いま、“防犯上”のところで詰まっただろ?絶対に違う意図があって泊まろうとしてるだろっ?!」
そう失言して口を塞いだけど、もう遅い。

「へぇ…、和馬には違う意図があるってこと?嬉しいじゃん」

気がつくと大和のスイッチが入って、和馬は壁ドン状態で迫られていた。
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