ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第四章

第二話 俺の太刀が強化されるそうです

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「まぁいい。冗談はその辺にして、今はやるべきことをしよう。ボウズ、お前の太刀を寄越せ」

 新しくギルドの鍛冶職人になったベルトラムさんから、俺の大切な太刀を渡すように言われる。

「どうして俺の太刀を渡さないといけない」

「いいではないか。ちょっとボウズの持つ太刀に興味をもった。少しの間、見せてくれないか」

 この太刀は俺にとって大切なものだ。そう易々と渡してなるものか。

「あ! ボウズ! あんなところにナイスバディな姉ちゃんがいるぞ!」

 俺の気を引こうとしたのだろう。ベルトラムさんは、ナイスバディな姉ちゃんが居ると言う。

 だけど俺は、そんな低レベルな嘘には引っかからない。

 指を向けられた方向を見ないでいると、ベルトラムさんは悔しそうに歯を食いしばった。

「くそう。この手が効かないとはボウズ、中々やるではないか」

 いや、そんな低レベルの騙しに引っかかるようなのは、子どもくらいなものだろう。

「頼む! その太刀をワシに見せてくれないか!」

 ベルトラムさんは、床に手を置いて頭を下げて土下座をしてきた。

 予想外の行動に、俺は戸惑うと同時に心が痛み出す。

「わ、わかりました。見せますので土下座をやめてください。これでは俺が悪者のようになってしまう」

 腰に帯刀させている太刀を取り、立ち上がったベルトラムさんに渡す。

 彼は鞘から太刀を抜くと、刀身をジロジロと見る。

「ふむ、ふむ。中々の業物ではないか。この太刀を作った鍛冶職人は相当凄腕と見た」

 本当に同一人物なのかと思うほどの顔つきで、ベルトラムさんは真剣な表情で俺の太刀を分析する。

「おや? この太刀には柄に属性玉を取り付ける穴があるのに、何も入っていないな?」

「属性玉?」

「そうだ。ハンターの使う武器には、属性玉を取り付ける細工がされてあることがある。属性玉はその名のとおり、炎や水、雷と言った属性の力が宿っている玉だ。属性玉を取り付けることで、その武器に属性を与えることができる」

「リュシアン君がイメージしやすく説明するとすればそうねぇ。例えば刃でモンスターを斬ったその瞬間、炎が現れて追加ダメージを与えたり、モンスターの表面を凍らせたりする感じかな?」

 続けてエレーヌさんが補足説明をすると、なんとなくだけどイメージが膨らんだ。

 確かに、属性玉の効果で追加ダメージを与えることができれば、今後の戦いも楽になるかもしれない。

「エレーヌから話は聞いておったが、無属性のままあのキングカルディアスを倒したとはたいしたものだ。その前は龍の女王であるクイーンフレイヤーも討伐したらしいではないか。ハンターとして素晴らしい」

「本当にリュシアン君は、わたしの自慢のハンターね。ここのギルドを代表するハンターとして、これほどふさわしい人はいないわ」

 ベルトラムさんとエレーヌさんが俺の功績を褒めてくれる。クイーンフレイヤーはともかく、キングカルディアスはテレーゼやユリヤと協力して倒した。だから俺一人が褒められるわけにはいかない。

「俺だけの力ではないですよ。テレーゼの音楽によるサポート、そしてユリヤのヒットアンドアウェイの戦略。三人だったからこそ、勝つことができました」

 二人も活躍してくれたので、ちゃんと評価してもらいたいと思った俺は、二人の存在があったからこそ勝てたとエレーヌさんに伝える。

「そんなことないわよ。もし、あたしのサポートがなかったとしても、リュシアンピグレットだったら、一人でもキングカルディアスを倒していたと思うわ。あなたの強さは計り知れないもの」

「そうですよ。私は攻撃のチャンスがあるときだけしか戦闘に参加していないですし、一人で龍の王に立ち向かったリュシアンさんは、とてもカッコ良かったです。寧ろ私たちがいたことで、気にして本来の力を発揮できていなかったと思います」

 俺は二人を誉めたが、彼女たちは自分たちがいなくとも勝てた。寧ろ足手纏いだったとエレーヌさんに言う。

 俺からしたら、そんなことは全然なかったのにな。

「うーむ、本来の力を出し切ることなくキングカルディアスを討伐してしまうとは、やはり只者ではない。ボウズにはハンターの才能がある。いずれLレジェンドランクのハンターになれるだろうな」

 LランクはSランクを越えたランクだが、現在この世界では一人もいない。そもそも、Lランクになれるようなハンターであれば歴史に名を残し、伝説として語り継がれるほどの実力を持っている。

 いくら初日にSランクになったからと言って、担ぎ過ぎるような気がする。だけどまぁ、誉められて嫌な気分には全然ならないけどね。

「決めた! ボウズ! この太刀はしばらく預からせてもらう」

「あ! 待て! 俺の太刀を持ってどこに行く!」

 ベルトラムさんは扉に向かって走るとギルドから出て行った。

 俺は直ぐに追いかける。

 いくら先に逃げたと言っても年寄りと青年、体力には差がある。直ぐに追いつくと俺は彼の行く道を塞いだ。

「さぁ、これ以上は先に進ませないぞ! どうして俺の太刀を持って行こうとしたのか説明してもらおうか」

「分かった。説明しよう。ワシも興奮して持ち出してしまったのはまずいと思ったからな。因みに興奮したと言っても、性的興奮ではないからな。ワシは男に欲情するような趣味は持っていない」

 彼の言葉に、俺は思わず苦笑いを浮かべる。

「ワシがこの太刀を鍛え直す。見たところ刃先には細かい刃こぼれが起きておるし、僅にモンスター臭が漂っている。早く手を打たないと、戦闘中にポッキリ折れてしまう可能性がある」

「それならそうと最初から教えてくれれば良いじゃないか。それなら俺も血相をかいて追いかけなかったぞ」

「本当に済まない。とにかくこれはワシが預かる。明日ワシの工房に来てくれ。生まれ変わったこいつを見せてやる」

 ベルトラムさんはニヤリと笑って白い歯を見せてきた。

「分かった。明日工房な」

 こうして俺は、太刀をベルトラムさんに渡してギルドに帰った。

 そして武器を預けることになったとエレーヌさんに伝えると、俺は特別に休暇をもらい、一日ゆっくりと過ごすことになった。










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