ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第七章

第一話 レンナルト王からの指名依頼

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~リュシアン視点~



「まさかレンナルト王様から国宝級の英雄として認めてもらえるなんて、ギルドマスターとして鼻が高いわ。リュシアン君がこのギルドに入ってくれて本当に良かった」

 ギルドマスターのエレーヌさんが俺のことを褒めながら頭を撫でてくる。

 子ども扱いされているような気がするが、正直に言って頭を撫でられるのはそんなに嫌ではなかった。

 だけどまたテレーゼたちが何か言ってこないだろうか?

 そう思い、俺はチラリとテレーゼたちを見る。

「まぁ、頭を撫でるくらいなら許容範囲よ。そこまであたしは器が小さくないわ」

「とか言いつつ、自分の腕を抓っていますよね。テレーゼさん、本当は嫌なんじゃ」

 どうやらテレーゼは我慢しているようだ。これ以上続けられたら彼女が暴れるかもしれない。

「エレーヌさん、子どもじゃないのですから。これ以上はやめてください」

 頭を撫でるのを止めるように言うと、エレーヌさんの表情が一瞬固まる。そして俺は急に背筋が寒くなった。

 何でこんな現象が起きる? エレーヌさんの前でこの現象が起きるときは、大抵年齢関係のことを言ったときだ。だけど俺は年齢に関係するようなワードは言っていないはず。

「私、リュシアン君のことは弟のように思っているのだけど? 子どもと思ったことは一度もないのだけどな?」

 子どもダメなのかよ! でも、俺たちはエレーヌさんの子どもでも全然通用する年齢じゃないか。

「まぁ、今の冗談だけどね。子どもでも全然問題はないわ。だって私のギルドに所属するハンターはみんな家族のようなものですもの」

 エレーヌさんは片目を瞑ってウインクをした。

 いや、マジで心臓に悪いからバッドジョークはやめてほしい。

「とにかくお疲れ様。今日は一日休んで、また明日からお願いね」

「わかりました。ありがとうございます」

 俺たちは依頼達成の報告を終え、半休を貰って寮に帰った。





 翌日、俺はいつものようにギルドでエレーヌさんからの仕事をもらう。

「リュシアン君は指名依頼が入っているわ。なんと、あのレンナルト王様直々の依頼よ。凄いわね!」

「え?」

 ギルドマスターの言葉に驚きつつ、依頼書に目を通す。

 確かに彼女の言うとおり、依頼主はあのレンナルト王様からだった。

 前回の依頼を受けてからまだ二日しか経っていないのに、連続して同じ人物から依頼がくるとは思わなかった。

 えーと、レンナルト王様はどんな依頼を俺にさせようとしているんだ?

 依頼書に書かれてある依頼主のコメントを黙読する。

『リュシアン殿、チャプスの件は大変お世話になった。この国に貴殿のような英雄がいることを誇りに思う。連続になってしまうが、またリュシアン殿にお願いしたい依頼がある。詳しいことは城を訪れた際に話そう。今回は一緒にいたレディーたちの同行はご遠慮願いたい。リュシアン殿一人で来てくれ』

 直接依頼書に内容を書かないところを見ると、あまり周囲に知られたくない内容なんだろうな。俺一人で来るように念を押されているところから、そのことが一目でわかる。

「ねぇ、リュシアンピグレット。レンナルト王様からの依頼ってどんなのなの?」

 依頼内容が気になったのか、テレーゼが訊ねてくる。

「いや、具体的なことは書かれてなかった。詳しい内容は城に来たときに話すから、俺一人で来てくれだってさ」

 俺は嘘を言っていないことを証明するために依頼書をテレーゼに見せた。

「本当ね。いったい何なのかしら?」

「そこまで隠されると気になりますね」

 テレーゼの後からユリヤが顔を出すと、彼女も依頼書を覗き見る。

「とにかく、今から行ってみるよ」

 俺はエレーヌさんに顔を向ける。

「エレーヌさん。多分帰りは遅くなるかと思います。詳しい内容が書かれていない以上、もしかしたら一日では終わらないかもしれません」

「分かったわ。一日で戻って来なかった時は出張扱いにしておくわね」

「ありがとうございます」

「そうだ。ギルドの馬車は他のハンターが使うから、馬車の手配をしておくわね。えーと、レンナルト王様に手土産を用意した方がいいかしら? でも庶民の菓子折りなんて嬉しくはないわよね。でも、もしかしたら一周回って喜んでくれるかしら?」

 そろそろ出発しようかと思うと、エレーヌさんが毎回恒例のことを言ってくる。

 多分あのレンナルト王様にはそんな気遣いはいらないような気がするな。

「そろそろ出発しますね。馬車は俺が手配しますので、エレーヌさんは通常業務をお願いします」

 その場から逃げるようにギルドを出ると、俺は馬車を手配してお城へと向かった。





 数時間後、俺の乗った馬車は城下町の中に入り、お城の前で止まる。

「ありがとうございました」

 御者に礼を言って運賃を払い、俺は城の門に向けて歩く。

「これはリュシアン殿! 話はレンナルト王様から聞いております。王様は今玉座の間の方にいますので、そちらにお越しください」

 俺に気付いた門番が声をかけ、門を開けてくれた。

「ありがとう」

 門番に礼を言って門を潜り、城の中に入ると玉座の間の方に歩く。

 玉座の間の前には兵士がいたが、俺に気付くと扉から離れて中に入れてくれた。

 玉座には頭に王冠を被っている、四十代の男性が座っていた。

「レンナルト王様、此度は使命していただきありがとうございます」

「おお、リュシアン殿! 来てくれたか。今人払いをするので少しだけ待っていただきたい」

 少しの間待つように言うと、レンナルト王様は控えている兵士たちを見る。

「ワタシはリュシアン殿と二人きりで話がしたい。悪いがここから出て行ってくれないか」

「「「御意!」」」

 兵士たち返事をすると、急いで玉座の間から出て行く。

「では、本題に入ろうか」

 兵士たちが全員出て行ったのを確認して、レンナルト王様は今回の依頼内容を語ろうとする。

 人払いをしてまで、いったい俺にどんな依頼をさせようと考えているのだろうか。

 固唾を呑んで王様が依頼内容を口にするのを待つ。

 すると彼は玉座から立ち上がり、俺の肩を握る。そして青い瞳で俺のことを見てきた。

「リュシアン殿! ワタシの息子になってくれ!」










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