ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

文字の大きさ
94 / 171
第九章

第八話 ゴッドヒルフのざまぁ前編

しおりを挟む
~ゴッドヒルフ視点~



 これは約一時間前のこと。

 俺様ことゴッドヒルフは、モンスター討伐大会が始まった後、直ぐに目的の場所に向かった。

 密林の五番エリアには、ピッグコングが集めたガラクタがある。前持ってその中に木箱爆弾の素材を隠してある。

 急ぎ五番エリアに向かって爆弾を作り、戦闘のどさくさに紛れて泣き虫リュシアンを爆破してやる。

「ククク! 丸こげになってボロボロになっているあいつの姿を想像するだけで、笑いが込み上げてきそうだ」

 五番エリアの洞窟の中に入ると、討伐対象のピッグコングが寝息を立てているのが見えた。

 討伐対象を発見したが、今はあいつを相手にするよりも爆弾の作成が先だ。

 なるべく足音を立てないようにして、モンスターの横を通り過ぎる。そしてガラクタが置かれてある場所にたどり着くと、周辺を漁った。

「えーと、確かこの辺りに隠していたはずなのだけどな?」

 色々な物を退かして目的の物を探していると、俺様の前に影が差した。

 人のものよりも大きい。まさか!

 心臓が早鐘を打つ中、ゆっくりと振り向く。

『ブホッ! ブホッ! ブホオオオオオオオオオン!』

「目が覚めたあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 背後には睡眠から覚醒したピッグコングがおり、やつは両手を上げて威嚇してきた。

 そしてすぐに俺様に向けて拳を叩き込む。

「ぐへえええええ!」

 モンスターの一撃を受け、吹き飛ばされた俺様は壁に激突した。

「ガハッ、ガハッ」

 呼吸が苦しくなって咽せる。すると口から赤い液体が飛び出た。

 くそう。なんてパワーなんだ。一発食らっただけでこの威力なのかよ。

 直ぐにポーチから回復ポーションを取り出して口に含む。

 即効性のある薬のお陰で傷が塞がったみたいだな。先ほどまで感じていた気持ち悪さがなくなった。

 モンスターはゆっくりと近付いて来る。

 くそうどうする? まずは態勢を立て直さないといけない。

「居たぞ! ピッグコングだ!」

「一人他の参加者がいるな! あいつよりも俺が先に討伐してやる!」

 思考を巡らせていると、他のハンターたちもやってきた。

 ここはあいつらに任せて、俺様は泣き虫リュシアンの方でも観に行くとするか。どうせあいつらにはピッグコングは倒せないさ。

 俺様は急ぎ、洞窟から出ると三番エリアを経由して二番エリアに移動する。

 さて、俺様が買収したハンターたちは、泣き虫リュシアンをボコボコにしているかな。

 木の陰に隠れて様子を見る。

「テレーゼ! 耳封じ作戦だ!」

 耳封じ作戦? なんだそれは? ハンター共通の作戦名にはそんなものはないな。

 泣き虫リュシアンの言葉に疑問を感じた瞬間、赤い髪の女が発声練習のように声を上げた。

 彼女の声を聞いた瞬間、全身に痛みが走る。

 な! なんだこれは! 体が少し動いただけで、全身が痛い。

「がああああああぁぁぁぁぁ!」

 立っていることができずに俺様は地面に倒れた。

 途轍もない激痛に涙が流れ、意識を失いそうになった。

 だけどここで意識を失う訳にはいかない。俺様にはあの泣き虫リュシアンにざまぁをすると言う大義があるのだ。こんなことでへばる訳にはいかない。

 神の化身であるこのゴッドヒルフ様を舐めるな! あいつにざまぁをするまで、何があろうと俺様は不死鳥のように立ち上がる!

 全身の痛みに耐えていると、時間経過と共に痛みが引いて行く。

 こいつはヤバイな。直ぐに回復しないと。

 意識が朦朧とする中、気力を振り絞ってポーチに腕を突っ込む。そしてポーションを取り出して中身を飲み干した。

 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あ、危なかった。危うく気を失うところだった。それにしても、こんな短期間に二つもポーションを使うことになるとは思わなかったな。

 再び木の陰から覗くと、俺が雇ったハンターたちは全て気を失い、荷車に乗せて運ばれていた。

 くそう。役に立たないやつだぜ。

 だけど参ったな。あんな化け物のような力を持つ女が一緒にいると、声が届く範囲にはいられない。なるべく距離を置きつつ様子を伺うか。

 そろそろピッグコングもエリア移動をした頃だろう。先に爆弾作りの方を始めるとするか。

 この場から離れ、三番エリアに向かう。すると先ほどまでいなかったハンターたちがこのエリアに姿を見せていた。

 五番エリアでピッグコングと戦った奴らか? いや、顔は見覚えがない。つまりはモンスターがエリア移動をした際に、別のハンターが五番エリアに入って、そのまま三番エリアに来たと言うわけだ。

 ハンターたちを横切り、五番エリアである洞窟の入り口前まで来た。

「出た! ピッグコングだ!」

 後方から討伐対象が現れたとハンターが叫ぶ声が聞こえ、振り返る。

 涎を撒き散らしてスタミナ切れを起こしているピッグコングが、この三番エリアに来やがった。

 泣き虫リュシアンたちの姿も見える。どうやらあの男たちは、モンスターに気を取られて俺様には気づいてないみたいだな。

 どうする? このまま洞窟の中に入って爆弾を作るか? いや、それよりもこの場に残っていた方が、ピッグコングに泣き虫リュシアンがボコボコにされる光景を拝めるかもしれない。

 だけどここだと少し距離があるな。もう少しだけ近付いてみるか。

 俺様は地面に這いつくばって匍匐前進しながら近付く。

 これならあの男たちに気付かれ難いだろう。さすが俺様だ。神の化身だけのことはある。

 口角を上げて近付くと、いきなり鼻が曲がりそうなほどの異臭が鼻を突き抜ける。

 くっせー! あのモンスター、戦闘中に屁をこきやがった!

 近づき過ぎたか。これはもう少し離れた方が良さそうだ。

「逃げろ! あいつ自分の糞を投げ付けやがった!」

「きゃああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「いやああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「これがハンターとモンスターの戦いなのですのおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」

 クハハ! 泣き虫リュシアンのやつ、ピッグコングの糞を投げ付けられて、慌てふためていやがる。ざまぁ!

 腹の中で大笑いをしていると、急に頭の上に何かが落ちてきた。

 なんだ? 妙に暖かくないか? そして妙に臭う……まさか!

 恐る恐る頭の上に落ちたものを掴み、顔の前に持ってくる。俺様の頭に落下したのは、茶色で細長い異臭を放つ物体だった。

 ピッグコングの糞じゃないか! くそおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。  どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!  スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!  天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

処理中です...