魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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三性 新学期の恒例行事

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 私が夢の中で『フェラ』じゃなくて『フェラーリ』を乗り回していると、上の方から微かに声がした。

「カスミンってば! 寝すぎ!」
「……ん?」

 目が冴えない中、時計を見ると時刻は午後三時四十五分。五分前に六時間目が終わったようだ。
 それにしても、私は二時間近く夢の中にダイブしていたらしい。
 まぁ、朝の件と昼の件でかなり頭を使ったから仕方ないだろう。

「やっと、起きましたね」
「カスミの席って先生から見えないから羨ましいよ」

 みんな苦笑いをしながらこっちを見ている。けど、これだけ寝てたら笑って当然だよね。
 てか、休み時間に起こしてくれたら良かったのに。

「か、完全に爆睡してたよ」
「カスミンの席は日が当たって気持ち良さそうだもんね!」

 そうなの。本当に体がポカポカしてつい目が閉じちゃうんだ。

「つい、寝ちゃったよ」
「それよりカスミ、これをどうにかして……」

 そう言ったマナの背後を見るとクラス中の男子が並んでいた。

「工口さん! 連絡先交換しない?」

 そう、ついに私の魔性によってクラス中の男子が惚れてしまったのだ。
 おそらく、原因は三つ。
 一つ目は私が魔性を持っているから。
 二つ目は男成君。さっき話して私の良さに気付いた男成君が、私が寝ている間に男子達にその良さを広めたのだろう。彼はクラスの中では中心人物だ。彼の影響力はかなりのものだから間違いない。
 三つ目は私の寝顔。私は寝顔を可愛く見せる方法を知っている。誰かに見られる可能性がある場合はそれを使うようにしている。ラブホなどで泊まるようになってから、寝顔を気にするようになってその技を身に着けた。
 まぁ、そういう理由で男子達は私に惚れたわけだが、別に嫌ではない。それどころかむしろ嬉しい。だって、自分からそんなの頼めないからね。
 それにこれは新学期早々にある私の中の恒例行事だからもう慣れている。

「わ、私なんかで良ければ……」

 私はこの一言でクラスの童貞狩りは終了したといっても過言ではない。
 だって、後は一年をかけて狩るだけだもん。

「私達は先帰るね! カスミン!」
「カスミさん、さようなら」
「カスミ、バイバイ!」
「うん、また明日」

 三人は先に帰るようだ。
 まぁ、この人数だと何分かかるか分からないし、妥当な判断だろう。
 じゃあ、そろそろ始めようか。
 時計の針は動き、いつの間にか最後の一人になっていた。

「これからよろしくね、工口さん!」
「うん、いつでも連絡してね」

 それを聞いた最後の一人は可愛い笑顔を見せて教室を後にした。
 おそらく、スタンダードクラスの男子の連絡先はこれで回収できたはずだ。

「ふぁ~」

 長く続いた連絡先の交換で疲れたのか、さっき寝たのにまた欠伸が出る。
 まぁ、見てもらった通りこれが魔性の力。どんなタイプの男子でも私に惚れてしまう。
 私が可愛すぎるから仕方ない? それはありえないね。
 別に私は飛び抜けて可愛い訳でもないし、胸も普段は目立つほど大きく見えない。
 それにみんなに好かれるような性格でもない。
 普通に考えて性格なら千心の方が好かれそうだし、胸なら真心やマナの方が男子的には目がいってしまうだろう。
 それに顔も三人の方が可愛い。
 つまり、これで分かったと思う。私を好きになる男子は顔でも性格でも胸でもないということを。
 私越えが三人もいて、それでも私が好きになる。これが魔性なの!
 これでみんなも魔性の力を分かってくれたかな?

「そろそろ帰ろうっと!」

 そういえば、今日の連絡先の交換でスタンダードクラスの男子の名前は全て覚えたよ。
 これが私の特技と言っても過言ではない。
 てか、覚えないと色んな男子とヤるから名前を間違えたら「最悪なビッチ女だ!」って思われることになるしね。
 まぁ、実際そうなんだけど、そこは私のキャラ的にバレれないからね。

「あ、家に帰ったら時間ないし、このクラスの男子の連絡先をまとめてから帰ろうかな」

 えっと、名簿順に並べてっと! 合計で二十五人っと!
 ん? 何かおかしい。
 このクラスは三十人。その中で女子は私を含めて四人。
 じゃあ、男子は三十から四を引いて二十六人のはずじゃ……あ、隣の刹那君だ!
 あの男子の連絡先がない。私が消したの? いや、そんなことは絶対にない。
 だって、今さっき追加したばかりだし、それは普通に考えてありえない。
 じゃあ、もしかして……

「あの男子は私に連絡先をもらいにきてないの!」

 驚きのあまり声に出してしまった。
 刹那君とは会話をして、物の貸し借りまでした仲だよ? いや、大した仲じゃないか。
 それでも魔性持ちの私とそこまでして、友達にもなったのに連絡先を欲しがらないってどういうこと? 全く訳が分からない。
 隣に宇宙人がいて普通に生活しているようなものだよ? 信じられない。
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