魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

文字の大きさ
50 / 65
七性 みんな恋をしてる

49

しおりを挟む
 そして私の心が高揚する中、時間は進み、放課後を迎えた。
 千心の方は六時間目の最初に元気になり、いつも通りのテンションで戻って来た。

「千心、大丈夫?」
「カスミさん、千心はあれぐらいじゃ大丈夫よ」
「そうそう。しかも、意識を失ったのは胸部君との距離が近くて緊張しただけだしね」
「違うし! マナティの方こそ今日、大志君からメールがきてテンション上がってたくせに!」
「アレはその久しぶりだったから。って、千心には関係ない! それに私は大志ならそろそろかなって思ってたし! そこまで嬉しいとか思ってない……し」

 マナのツンデレも相変わらずだ。

「そうなんだ! マナティ、今のこと大志君に言うから!」
「それ、それはやめて!」

 恋する乙女は凄い。笑顔が輝いているもん。

「二人とも仲良く! 二人はある男子のことを考えると心臓の鼓動がドキドキするんでしょ?」
「さっきドキドキしたかな……」
「私は大志を考えたら……」
「心臓のドキドキは恋! 恋は誇れるものだし、恋はしたいからといって手に入るものじゃない。マナさんに関しては恋した相手と付き合っている。それがどれだけ凄いことか、どれだけの奇跡なのか考えて自信を持つべきだわ」

 確かに真心の言う通りかもしれない。
 私が恋を望んでも絶対に手に入らないと思うし、それが手に入った二人はもっと自分らしいく、生きるべきなのかもね。
 恋か。私は今思うと沢山の恋を潰してきてしまった。
 私が魔性持ちだから男子は私に恋をする。けど、その恋を私は実らせることなく、童貞とお金をもらい、恋仲という関係ではなく、セフレという関係にしてしまった。
 それが男子達に良かったのかと言われると何とも答えられない。
 けど、真心の『奇跡』という言葉を聞くと何か突き刺さるものがある。

「それで今回は何の映画?」
「恋愛相談所の恋のキューピットをする心理学ウーマンの話。って、うまいこと聞き出すのはやめて!」

 おい、真心! また映画なの!
 真剣に狩った童貞ちゃんの潰した恋について考えていたのに。
 そのことを聞いたら、私が真剣に考えていたことがバカみたいじゃん。

「イイことは言っているから私は映画の影響は真心に合ってると思うよ」
「マナさんにそう言ってもらえると嬉しい。マナさんのために土日に映画を見たかいがあった気がするわ」
「けど、恋をしていない真心に言われてもな~」
「それは思ったよ、千心」
「流石、カスミン!」

 千心の言葉にも一理あるよね。
 経験者だからこそ説得力があるというか……ね。
 真心は見た感じなさそうだし、そんな乙女の顔なんか見たことない。
 てか、あの真心がそんな顔するとはまず考えられないよ。

「私だって恋ぐらいしているけど」
「「「え?」」」
「何その反応、失礼ね。私が恋をしたら悪い?」
「そ、そんなことないよ! 真心が恋とか意外だな~って!」
「そうそう。そんなこと聞いたことなかったから」
「私も初耳だよ」

 てか、まさか恋をしているとは……。
 多分、『鯉に餌をしている』を『鯉してる』って訳しているわけじゃないと思うし、本当に真心が恋を。

「それで真心の好きな人は?」
「それは……」
「「「それは?」」」

 誰だろ? まず私が知っている人だろうか?
 それより私がヤったことない人でありますように。
 マナの大志君とはヤってしまっていたし、今回はどうかお願いします。

「……内緒!」
「ずるい! 真心の好きな人教えて!」
「そうですよ。私達のは知っておいて!」
「私はどっちでもいいよ」
「ほら、カスミさんを見習いなさい」
「カスミン何で?」
「カスミは何で知りたくないの?」
「知りたくないと言えば、嘘になるけど、真心にだって内緒にしたいことぐらいあると思って。それにみんなも内緒にしていることぐらいあるでしょ?」

 そう、人は内緒の一つや二つあるのが普通。それを無理矢理聞き出すなんて、絶対に止めた方がいい。
 それに今は内緒かもしれないけど、時が来れば誰もが口に出すからね。
 まぁ、私とヤった人だった嫌だから聞きたくないだけだけど。本命はこっちね!

「カスミンの言う通りかも!」
「そうだよね。いつか聞ける時を楽しみにしておくよ」
「ありがとう。いつになるか分からないけど、その時になったら言うから」

 そう言って真心は少し嬉しそうにはにかんだ。

「私、今日は買い物して帰るから、そろそろ帰らないと」

 今日はビーフストロガノフのリベンジの日。
 だから、買い物をして早く帰らないといけない。
 そうちゃんにもそう言ってあるしね。

「私と千心も習い事があるからそろそろ帰るわ」
「そうだね! 久しぶりの習い事!」
「みんな帰るなら私も帰るよ。それに明日はデートだから」
「よし! みんなバイバーイ」
「さよなら、カスミさん、マナさん」
「うん、またね」
「うん、また明日」

 よし! 今日こそはビーフストロガノフを振る舞うぞ!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちだというのに。 入社して配属一日目。 直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。 中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。 彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。 それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。 「俺が、悪いのか」 人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。 けれど。 「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」 あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちなのに。 星谷桐子 22歳 システム開発会社営業事務 中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手 自分の非はちゃんと認める子 頑張り屋さん × 京塚大介 32歳 システム開発会社営業事務 主任 ツンツンあたまで目つき悪い 態度もでかくて人に恐怖を与えがち 5歳の娘にデレデレな愛妻家 いまでも亡くなった妻を愛している 私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...