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コーチ物語 ~明日は晴れ!~

日本初のコーチングをテーマとした小説の第二弾が、小説メルマガとなって再登場!小説を通してコーチングの技術がわかるだけでなく、泣かせて、笑わせて、そして感動させちゃうショートストーリーですよ。
発行者名 たぬきコーチ
発行部数401部
発行周期毎週金曜日
カテゴリ 小説
バックナンバー すべて公開

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          コーチ物語 ~ 明日も晴れ! ~

                             サンプル号


           日本初のコーチング小説第二弾
     小説のみじっくり読みたい方への待望のメルマガですよ

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      クライアントファイル1 舞い降りたコーチ その1


「ねぇお父さん、そのなんとかって人、いつ来るのよ?」
「舞衣、なんとかじゃねーよ。
 あいつには羽賀純一っていう名前がちゃんとあるんだから覚えとけよ。
 今日からここに来てくれる、貴重な才能をもったヤツなんだから、そんない
い加減な態度をとるんじゃねーよ。」
「はいはい、わかりましたよ。
 だからこうやってお店を休んでまで、部屋を掃除してあげてんじゃないの。」

 大都会とはかけ離れた、地方の田舎都市。
 田舎都市とはいいつつも、市のはずれでは大手企業の誘地が成功し、ここ数
年は急速に人口が増え、郊外には新興の住宅地が開発され始めている。

 そのおかげか、駅前の中心街にもちょっとした高層ビルが建築されはじめ、
新しい文化が芽生え始めている。

 その一方、昔は城下町として栄えたこともあり、駅を挟んで新興住宅街の反
対側には古くからの町並みが広がっている。

 「フラワーショップ・フルール」
 ここはその古くからの町並みを、さらに郊外へ向けたほとんど市のはずれに
近いところ。
 その町はずれの商店街の一角にある、五階建ての小さなビルの一階にこのフ
ラワーショップは位置している。

「でさぁ、その羽賀さんって人は何をする人なの?」
「あぁ、これがな、ちょっと変わった職業でな。
 一言じゃうまく説明できねーんだよな。」
「なにそれ! 怪しい職業じゃないんでしょうね?
 情報通のお父さんが説明できないなんて…」
「いやぁ、あいつの人柄と仕事内容については間違いねぇ。
 このオレが保証するわい。
 だからこそ、ウチのビルの二階にあいつを呼んだんだよ。」
 
 そう、このビルは、舞衣の父である佐木野ひろしがオーナーであり、かつ四
階と五階は佐木野親子の住まいになっている。

「しっかし、この二階の部屋もずいぶんと長い間空き部屋だったから、かなり
汚れているよねぇ。
 だいたい、こんな町はずれのビルの一室なんて今どき借りてくれる人はいな
いわよ。その羽賀さんって貴重な存在だわ。」
「あ、舞衣には言ってなかったっけ?
 ちょっと事情があってな、あいつにはしばらく家賃無しで貸すことにしてん
だわ。」
「えぇ~っ!
 お父さん、信じられない! ちょっと人がよすぎるよ、それって。」
「まぁそういうなよ。これがそのうち必ずこっちにも返ってくるんだから。」
「んとに、いつもこうなんだから。
 『情けは人のためならず』でしょ。
 でも、その人の良すぎるところがいつも仇になっちゃうんだから。
 死んだお母さんが、いつも口癖のように『お父さんは人が良すぎるんだから。
でもそこがお父さんらしさなのよ』って言っていたのを思い出しちゃったじゃ
ない。
 ま、とにかく早くこのお化け屋敷みたいな部屋を片づけて、その羽賀さんっ
て人が来るのを待ちましょ。
 お父さん、ぼさっとしてないで、そこのバケツに水をくんできてちょうだい。」
「なんか舞衣のしゃべり方、死んだお母さんにそっくりになってきたな…」

 半分なつかしみを感じながら、素直に娘の舞衣の言うとおりに従うひろしで
あった。

「えっと、確かこの先を曲がったところに…
 えっ、ち、違う…おっかしいなぁ~。
 なにしろ佐木野さんのところは、ずいぶん前にうかがったきりだからな。
 地図を無くしちゃったのは痛いなぁ~。」
「こりゃ、そこの背の高いあんちゃん。
 何かお困りのようじゃが、どうしたんじゃ?」
「わっ、びっくりした!」
 駄菓子屋と食品店を一緒にした、地方にはありがちな商店の中からぬぅっと
現れたおばあさん。

「ほれ、背の高いあんちゃん。何か困りごとかね?」
「はぁ、実は佐木野さんというお宅を探しているんですよ。
 一階が花屋さんで、5階建てのビルなんですが…」
「ほぉ、あの佐木野の知り合いかね。
 じゃったらまだしばらく歩かんといかんぞ。
 お急ぎでなかったら、休憩がてらウチでお茶でも飲んでいかんかね?」
「は、はぁ。
 これからこの町にお世話になることだし、それではお言葉に甘えて…」
「ほぉ、ひょっとしておまえさんがあの佐木野のところにやっかいになるとい
うお方かい。うわさはきいとったぞ。
 おまえさん、名前はなんというんだい?」
「私ですか、私の名前は…」

 背の高いあんちゃん、といっても歳は30過ぎ。
 そのあんちゃんが名前を伝えようと、ふと上を向いたとき。
「ん、あれは…あれは人じゃないのか?
 おばあちゃん、あのビルの上、あそこに人が立ってる!」
「どりゃ…どこのビルじゃ?年寄りにはちょっと見えんなぁ…」
「間違いない、あの高いビルの上だ。
 おばあちゃん、警察に電話して! 今すぐに!
 あれは飛び降り自殺だ!」
「なんと!そりゃ一大事じゃ。おい、和子さん、和子さんよ!」
「なんですか、おばあちゃん。あら、こんにちは。」
「のんきにあいさつなんかしとる場合じゃない。あのビルの上に飛び降り自殺
の人がおるというんじゃ!」
「え、どれどれ…あら、ホント。あのビルから飛び降りたら大変だわねぇ。」
「奥さん、のんびりしている場合じゃないですよ。すぐに警察に電話して!
 私はあのビルに行ってみます!」
「はいはい、わかりました。えっと、イチ・イチ・マルっと。」
「和子さん、相変わらずのんびりやさんだねぇ。」
「ではよろしくお願いします!」
「おっと、その前におまえさんの名前くらい聞いとかないとねぇ。」
「羽賀、羽賀純一です!」
「羽賀さんとやら、気をつけて行ってくるんじゃぞ。」

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 登場していきなり自殺騒ぎに巻き込まれるコーチ羽賀。
 この町で一体どんなことがおこるんでしょうね?
 
 それは次回のお楽しみです!
 
 
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        コーチ物語 ~ 明日も晴れ! ~

 【発行元】 Coach You & Me (コーチ ユーアンドミー)
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 【発行責任者】たぬきコーチ こが ひろのり

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